被災者救援活動

東日本大震災 被災者救援活動

3月11日の東日本大地震は「災害弱者」である障害者にひときわ大きなダメージを与えています。
私たちはすでに、東北4県の被災脊損者への電話による安否確認を行いました。
せきずい基金のバンと専属ドライバーを当面3ヶ月程度雇用し、現地に灯油やメーカー寄贈の紙オムツなどを搬入する予定です。

現地では当事者が必要とする医薬品やディスポーザブル用品などが、今後長期にわたり不足するものと思われます。
私たちは会報読者である被災脊損者の皆様が少しでも速くそれまでの生活に戻れるよう、最も支援を必要とする方々に焦点を当て、個別・直接的な長期にわたる救援体制を構築したいと考えています。

日本せきずい基金が行っている被災障害者救援活動について、この欄で随時報告していきます。またせきずい基金のTwitterにUPしていきますので、そちらもご覧下さい

巡回準備

第一次巡回までにJSCFが行ったこと。

  • 東北4県の被災地の会報読者(119人)のうち電話番号判明の70名ほどに安否確認中。20名と連絡がついていない。「ガソリンも食料もない」(盛岡)、「ヘルパーが避難していなくなった」(福島)との声が聞かれた。在宅の呼吸器使用者2名は病院に一時入院していた。
  • 新潟から岩手・宮城にガソリン200リットル、灯油120リットルを配送手配。
  • せきずい基金のバンと専属ドライバーを当面3ヶ月程度雇用し、現地に常駐する。現地にガソリンや灯油、メーカー(クレシア、ユニチャーム)寄贈の紙オムツなどを搬入する予定。
  • 脊損連をはじめ全国組織の3障害を統合しているJDFの現地支援センター(JDF被災障害者総合支援本部「みやぎ支援センター」)の開所式が3月30日に行われた。
    東北関東大震災障害者救援本部外部リンク
  • 日本脊髄障害医学会の尽力により、3/30よりリハ科のドクターを1名派遣。この医師同乗のせきずい基金のバンと物資積載車両1台で、主として被害の大きかった三陸地方沿岸部の国道45号線を、仙台から石巻、女川、気仙沼、陸前高田、大船渡、釜石、宮古、久慈、八戸と7~10日の日程で北上する予定。医師の追加派遣や医薬品、医療用消耗品の提供、空きベッドの確保に関して脊髄障害医学会やリハビリテーション医学会に協力を要請中。
  • 現地への物資搬送にはトラックドライバーのデコトラで知られる「歌麿会」という団体があり、その東北支部が全面的に協力してくれることになった。首都圏に配送に来た空きトラックに救援物資を輸送していただく予定。
第一次巡回報告

2011年4月13日

被災脊損者救援活動

第一次巡回キャラバン報告

NPO法人日本せきずい基金事務局

 東日本大地震の被災脊損者救援活動のため、日本せきずい基金のバンと専属運転手を3月30日から「JDF被災障害者総合支援本部・みやぎ支援センターに派遣し、現地での活動を開始しました。

4月5からは、リハビリ医・スポーツ指導員とともにバンで宮城県の被災地を巡回しています。4月5日:石巻市、6日:南三陸町、7日は大島町と気仙沼市を訪問しました(車中で用意した寝袋を使い2泊)。8日に仙台に戻る予定。電話連絡で判明した現地の概況です。

  • 同行したリハビリ医は上司の許可を得て職務として参加し、仙台でJDFのボランティア保険にも加入した。
  • バンは宮城県の救援車指定を受けており、ガソリンスタンドで給油できる。車内には専用容器にガソリン100リットルを保管。医療用消耗品・医薬品も搭載。
  • 事前にリストアップした宮城県内の被災地域の脊損者約170人の安否確認が出来ていない脊損者の消息追跡とニーズ把握のために避難所や当事者の自宅を巡回した。
  • 避難生活の中で急激に症状の悪化した方には今のところ出合っていない。避難所生活で褥瘡の悪化した方が数名おり、内陸部に移動した。大島で連絡の取れていなかった方は高台に避難していて無事だった。
  • 在宅の脊損者はそれなりに地域の医療機関とつながりが出来てきている。
  • 中学校の避難所にいた脊損者は始業式のために退去することになった。自宅は汚泥が入り込んでいたためボランティアが撤去し、「難民を助ける会」からベッドの提供を受け、在宅生活が可能となるよう準備中。
  • 避難所では脊損者に限らず動かないで過ごす方々が多く、体力維持のためのリハビリが必要だと思われた。
  • 道路はかなり回復してきて、被災地のニーズも刻々と変化しているので、それを見込んだ対応が必要とされる。
  • 三陸町のYさんは岩手の水沢にある特養に避難。避難先の特養へ電話をして本人と話しました。本人は車イスなので軽トラックの荷台に載せられて高台にすばやく避難し助かる。しかし奥さんは津波に飲まれて消息不明、恐らく亡くなているとのこと。

今後の課題

第2陣のDr.カーを来週中13日前後で岩手の沿岸部へ予定しています。消息不明な障害者の方のリスト等を提出してもらいたい。

以上

  • この支援活動は、「日本リハビリテーション医学会」と「日本脊髄障害医学会」の協力の元に「全国脊髄損傷者連合会」と「日本せきずい基金」が連携して行っております。
  • 今回の事務局は、基金の事務局を活用させてもらっています。


第一次巡回報告画像スライドショー


第二次巡回報告画像スライドショー

障害者デイサービス始動

東日本大震災で壊滅的被害を受けた岩手県陸前高田市の障害者施設「ひかみの園」
に障害者の入浴施設のコンテナを設置し、7月11日より仮設住宅の高齢者、施設に入所している障害者などを対象にデイサービスを開始します。

入浴施設のコンテナは可燃ごみを燃やして給湯することができ、環境にも配慮しています。

日本財団ROADプロジェクトの追加助成100万円を7月に得ることが出来、現地での活動を本年12月まで延長する予定です。

障害者デイサービス始動のスライドショー

その他の報告