2025.11.30沖縄脊損研修会開催
2025.11.30沖縄脊損研修会開催
脊髄損傷をつくらない、あきらめない
ー沖縄の脊椎外科とリハビリの進歩、そして最先端の再生医療までー
開催案内(趣意書)
過っての沖縄での脊髄損傷者を取り巻く環境は、急性期の術後または未手術のままで県外の福岡や東京で手術とリハビリをして社会復帰できる状態になって再び沖縄に戻るといったパターンが通例となっていた。
しかし現在では急性期脊髄損傷の手術からリハビリまで沖縄本島内では完結できるようになっている。特に琉球大学に脊椎の手技に長けている西田教授が来られてからより顕著な改善がなされたと聞き及んでいる。
脊髄の再生医療が現実となりつつある今、急性期にいかに適切な手術がされたか、またその後のリハビリがいかにアクティブになされたかによってその後の改善回復が決まってくる。できるだけよい状態で慢性期脊髄損傷の再生医療の治験に参加することがその後の機能回復につながる。脊髄の再生医療の有効性をより期待することができる。
日時:2025年11月30日(日曜日) 開場11:00 開演12:00
会場:ラグナガーデン 羽衣の間 西
プログラム
11:00 開場
12:00 開演 開会挨拶
12:05~12:35 講演1 30分 「沖縄の脊椎外科の現状と課題」
琉球大学大学院医学研究科 整形外科学講座 西田康太郎 教授
12:40~13:10 講演2 30分
医療法人ちゅうざん会 ちゅうざん病院院長 田島文博 先生
休憩 10分
13:20~14:00 講演3 40分 「iPS細胞を用いた脊髄再生医療の現状と展望」
慶應義塾大学医学部 整形外科学教室 中村雅也 教授
14:05~14:35 パネルディスカッション
14:35 閉会挨拶
演者の先生方のアブストラクト
琉球大学大学院医学研究科 整形外科学講座 西田康太郎 教授
「沖縄の脊椎外科の現状と課題」
2019年7月に私が着任した際には、沖縄の脊椎外科は極度の人材不足と技術的遅れにより、高度脊柱変形、高難度の脊椎外傷や腫瘍など対応困難な症例が少なからず存在していました。過去6年間、技術の向上と連携強化、新たな専門医の育成を推し進め、沖縄の脊椎外科診療水準は着実に向上しています。本講演では、その再建の歩みと成果を紹介し、脊髄損傷医療を含めた今後の課題についてお話しいたします。
医療法人ちゅうざん会 ちゅうざん病院 田島文博 院長
「脊髄・頚髄損傷者として脊髄再生治療に備える」
脊髄損傷の再生医療は急性期で成果を上げており、今後は慢性期への応用が期待される。医療側はリハビリ施設と専門教育の整備が必要で、患者側は褥瘡や拘縮などの二次障害を防ぎ、残存機能を最大限に高め、健康な身体を維持することが重要である。かかりつけ医の確保や定期健診、社会活動・パラスポーツへの参加が再生治療への備えとなる。
慶應義塾大学医学部 整形外科学教室 中村雅也 教授
「iPS細胞を用いた再生医療の現状と展望」
iPS細胞を用いた脊髄再生医療の実現に向け、これまで基礎、橋渡し研究を行い、亜急性期脊髄損傷に対する臨床研究を実施し、一定の手応えを得ることができた。
今後、亜急性期脊髄損傷に対する治験、さらには慢性期脊髄損傷に対する治験を数年以内に計画しており、その準備状況と今後の展望に関して言及したい。


