会報8号

クローバーの集い

成蹊、学習院、成城、武蔵の四大学応援団による、チャリティーショー


■クローバーの集いというイベントが今年の11月12日に開催され、そこでの収益が、すべて基金にカンパされることになりました。 ちなみに、昨年度の実績は、約20万円でした。以下は、その趣意書です。

 「クローバーの集い」とは、成蹊、学習院、成城、武蔵の四大学応援団による、チャリティーショーの名称です。応援活動を学内にとどめず、「恵まれない子供たちにもエールを送ろう」という奉仕の精神の実現を目標に、四大学の思いを幸福のシンボルであるクローバーにこめて企画されました。
 この集いは、第1回が昭和40年に共立講堂で開催され、今回で31回目を迎えます。応援団のイメージは時として独善的だと敬遠されますが、四大学応援団としては、真の応援団が使命とする奉仕の精神で、クローバーの集いに真剣に取り組んでいます。 尚、このクローバーの集いにおける収支残高は全て「日本せきずい基金」へ寄付いたします。

◎ 学生サークルや地域グループでの様々なチャリティー活動を
   ぜひお願い致します。企画があればご一報下い!。




■ 日経産業新聞 2000年7月18日

  「21世紀の気鋭」

 失われた体の組織復元 
 ――研究と臨床の両立目指す:仲尾保志

 交通事故で命拾いしても神経を傷つけてしまい、物がつかめないなどの障害に悩む人は多い。慶応義塾大学医学部助手の仲尾保志 (41)は、失われた体の組織を元に戻す組織工学(ティッシュ・エンジニアリング)を武器に、そんな患者の治療に挑む研究者だ。新しい医療技術を開発、企業とも共同して実用化を推進する。

 《切断神経の回復も》  
 「仲尾先生いらっしゃいますか」――。東京・新宿の慶応大学病院には全国の患者からそうした問い合わせが後をたたない。仲尾の専門は「手の外科」。訪れる患者は、一度はほかで治療を受けたもののうまく回復せず、困り果てた末に駆け込んでくる。全国から患者が集まるのは、仲尾が神経の再生技術を持つからだ。

 メスの切れ味はもちろんだが、仲尾が普通の外科医と違うのは、新しい治療技術の開発に自ら積極的に取り組むところだ。神経が切れた部分にチューブを補い、神経細胞の成長を促す実験に成功。長さが2センチを超えるような治療が難しい神経の切断も回復させられる可能性を示した。さらに内視鏡手術の装置を開発して米国に特許を出願。米医療機器メーカーのスミス・アンド・ネフューが商品化し、来年にも販売が始まる。「患者の苦しみが研究の原動力」という。

 交通事故などで手足の神経を切断する患者は年々増えている。多くの患者は皮膚や筋肉の組織が戻っても、神経が切れているため感覚と運動機能に障害が残る。これまでは無傷な足から神経をとって移植していたため、大きな傷がつく。代替技術を求める声が強く、仲尾の新しい研究への期待は大きい。

 自らを「臨床科学者」と表現する。年間200人以上の手術をこなしながら、約10人の研究チームを指揮。「臨床は一人の医師で数百人の患者を救える。しかし科学的な研究を進めることで、もっと多くの患者を助けられるはずだ」。臨床と研究を重んじるスタイルを確立したのは、海外留学がきっかけだ。


 《チャンスを逃すな》
 「ヤスシ、オープン・ザ・ドア」。留学先のカナダ・トロント大学で教授からかけられた最初の言葉だ。この励ましの言葉の意味は「チャンスは見逃すな」ということ。多くのチャンスは気づかないうちにドアの外を通り過ぎてしまう。ドアを開け、視野を広げないと、好機は手からすり抜けていく……。

 仲尾はこの言葉に刺激され、研究に打ち込む。当初は待遇は悪く無給で研究を続ける日々だったが、次第に地力を発揮し、拒絶反応をうまく抑える移植技術の研究で成果を上げていく。留学3年目には5人の学生を抱える研究室長に出世した。


 《幅広い交遊関係》
 視野の広さは研究にとどまらず、交遊関係も指揮者の小沢征爾やドトールコーヒーの鳥羽博通、音楽家の坂本龍一など多岐にわたる。こうした人たちと会って刺激を受け、夢を膨らませるが、研究と臨床という二足の草鞋(ワラジ)をはくエネルギー源となっているという。

 米ワシントン大学と協力して新しい治療に取り組んでいる。組織工学分野の進歩は早い。あらゆる組織になりうる胚(ハイ)性幹細胞(ES細胞)も登場し、最も困難といわれた脊髄損傷の患者を治療できる光が見えてきた。「患者がいるかぎり、治療の可能性を追求する」と睡眠時間を擦り減らしながら精力的な研究を続けている。  


 【組織工学――血管など商品化】
 体の組織や臓器を機械のように交換する―。そんな確信的な医療技術を可能にするのがティッシュ・エンジニアリング(組織工学)だ。以前は死体から取った皮膚や血管などを保存して移植する程度だったが、培養液や凍結保存の技術が休息に進歩して細胞組織の育成加工が容易になり、医療応用も広がった。
 これまでに皮膚や骨、心臓弁、血管、血液が商品化され、神経や肝臓の臨床試験も始まっている。特に薬や在来の外科手術では太刀打ちできない神経や血液系の病気の治療に大きな期待がかかっている。(後略)



■ 読売新聞(大阪) 2000年9月5日夕刊

京大と阪大が神経の再生に成功 
  
――動物実験で幹細胞を移植・培養――

 脳やせき髄など、神経系の細胞のもとになる神経幹細胞を使い、損傷したせき髄の機能や、神経回路を再生する実験に大阪大、京都大の研究グループが成功した。動物・培養実験の段階だが、新たに作り出すことが難しいとされる中枢神経や神経ネットワークを再生できたことで、失われた組織や器官を作り出す〈再生医学〉による神経損傷や難病の治療に大きく近づいた。

 《阪大》 大阪大医学部の岡野栄之教授、小川祐人研究員らは、ラットの胎児のせき髄から神経幹細胞を取り出して培養。首の部分のせき髄に外傷を与え、運動機能を不自由にしたラット15匹に移植した。
 5週間後に運動機能を調べたところ、箱の中に入れたエサを取り出すなどの運動ができるまでになった。外傷部分を調べたところ、移植した神経幹細胞に付けていた目印が、ラットのせき髄の神経細胞にあることを確認。神経幹細胞から神経細胞が新たに作られ、神経組織が回復していることがわかった。

 《京大》 京都大脳神経外科の高橋淳助手と大学院生の戸田弘紀さんは、ラットの脳の記憶に関与する海馬という部分から、特殊な培養条件で神経幹細胞だけを分離。薬品処理で神経細胞に変化させ、別のラットの胎児から取り出した神経細胞と、神経細胞を支えるグリア細胞を混ぜて培養した。
 その結果、幹細胞から作った神経細胞の電気信号を伝える通り道の「軸索」の先端が、ほかの神経細胞の本体や、そこから星形に伸びて信号を受信する「樹状突起」の部分に接合、情報伝達のかなめとなるつなぎ目の「シナプス」を形成していることを確認。新たに作られた回路で、情報を伝えるシナプス電流も出ていることがわかった。





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編集人 特定非営利活動法人 日本せきずい基金・事務局
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