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              右端の数字は本誌のページ番号です。
【目次】
Walk Again2007へ参加を ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
再生医療の世界的動向/講師プロフィール
日本炎症・再生医学会報告 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
先端医療実現への諸条件・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
車イスから見えてきた社会 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ヨーロッパの脊損医療とリハビリテーション ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
期待される神経栄養因子HGF・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
リハビリ研修会案内・募金活動ほか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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07年内にもES由来細胞の臨床試験開始へ
詳細は・・・
Walk Again2007へご参加下さい
 今年、2007年10月8日に開催する第3回脊髄損傷者支援イベントは「神経再生研究に関する国際シンポジウム」として開催する。
<治療法がないと言われた疾患の治療法の開発に研究者はいかに挑戦し続けているか。>
<患者は自らの治癒のために何ができるか>
 研究者と患者が想いを共有する場とするために、1人でも多くの方々に参加を呼びかける。
 ここに再生医療の世界的動向を要約するとともに、講師プロフィール紹介から、臨床試験段階を迎えた脊髄再生研究の焦点を明らかにしておきたい。

 再生医療の世界的動向・・・・・・・・・
 「再生医療の実現化プロジェクト」(文科省)は平成15~24年度の10ヵ年に総額200億円の事業費を投じ、難病などに対して再生医療による新しい治療法を実現することを目指している。
 事業の中間年を迎えた本年6月、後半5年間への提言をまとめたので、その一部を以下に紹介する。
再生医療研究の世界の現状
 昨今、米国・カナダ、欧州の先進国では、再生医学の基礎研究並びに応用研究に非常に多くの投資と基盤整備を行なっている。幹細胞に関しては、体性幹細胞および胚性幹(ES)細胞の両面で基礎基盤研究と応用に向けた橋渡し研究が精力的に行なわれている。これらの研究は、たとえば、ハーバード大、ケンブリッジ大、スタンフォード大、ルンド大(スウェーデン)をはじめとする多くの中核大学、米国国立衛生研究所(NIH)、カロリンスカ研究所(スウェーデン)、ソーク研究所(米国)などの中核研究所、マサチュセッツ総合病院、コロラド大学病院、オレゴン大学病院などの中核研究開発系病院などで展開されている。さらに、それらと密接に関連して、特に米国では多くのベンチャー企業(例:ジェロン社、アドバンスト・セル・テクノロジー社、ステムセル社など)も参入し、個別の要素技術の先端レベルでの開発に貢献している〔下線は次頁に関連記事〕。
 また、予算面では、公的な研究開発費に限っても、非常に大きな研究開発予算措置が幹細胞研究に欧米で始まっている。さらに、民間の研究開発費がこれに加わり、本邦の幹細胞関連研究の一桁以上のスケール〔10倍以上〕となっている。
米国の状況
 米国では、積極的にヒトES細胞などから有用細胞を産生し、再生医療や産業利用を行なう志向性が強く、ベンチャー企業であるジェロン社は比較的簡単に分化誘導でき、分離培養も簡単なヒトES細胞由来のグリア細胞を用いて、ヒト脊髄損傷の急性期の患者への移植(免疫抑制剤下)の多機関臨床試験申請を食品医薬品局(FDA)に対して予定している。
 また、体性幹細胞では、平成18年11月にオレゴン健康科学大にて胎児由来の神経幹細胞がバッテン病(神経変性疾患のひとつ)患者に移植された。これは、脳の再生医療に神経幹細胞が使用された初のケースであり、用いた幹細胞はベンチャー企業において死亡胎児の脳組織から取り出して培養し、増やしたものであるとともに、FDAより臨床試験が認められ公的な手続きのもと行われた治療である。
 さらに、ヒト由来細胞を用いた実用化(産業化)について、米国では過去にATS(Advanced Tissue Science)社や Organogenesis 社の同種培養皮膚製品がFDAの認可を受けた実績がある。
 資金面では、生命倫理の観点から政府系の予算の使用制限があるため、民間資金による研究支援が盛んである。例えば、カリフォルニア州では「プロポジション71」により、10年間にわたって、毎年約3億ドル、合計30億ドル(約3500億円)という巨額の資金をES細胞関連の研究に投資することが州民の直接投票において決定された。東海岸の複数の州もこれにならい、同様の投資を決定している。
欧州の状況
 欧州では、各国の対応は生命倫理に関する国内の意識の違いからまちまちであるが、英国、北欧、イタリアなどで積極的にヒトES細胞の研究が行なわれている。逆に、ドイツおよびフランスでは、ヒトES細胞関連の研究より、体性幹細胞の研究に力点がある研究が多い傾向にある。
 英国は、マウスES細胞の初めての樹立、クローン羊ドリーの作成など先導的な研究開発での役割を果たしてきたが、ヒトES細胞に関しても(クローン胚由来も含めて)積極的な開発を行なっており、欧州のオピニオンリーダーとなっている。
その他の各国の状況
 イスラエルは、ヒトES細胞の樹立と分化に関して、積極的に基礎研究を行なっている。また、韓国もヒトES細胞(クローン研究を含めて)に関し、国を挙げて取り組んでいる。シンガポールは幹細胞をはじめとするライフサイエンスのテクノロジー開発を、政府・民間を組み合わせた形で、多くの海外研究者・企業を招致しつつ展開している。


 シンポジウム講師プロフィール・・・・・
 岡野栄之先生(慶応大学教授 生理学) 中枢神経系の発生・再生研究の世界的研究者であり、文部科学省の「再生医療の実現化プロジェクト」(H15~24年)の「幹細胞治療開発領域」リーダーである。今回のシンポジウムの企画に当ってはコーディネーターを、また当日は司会をお願いした。
 岡野先生をリーダーとする研究グループ(岡野研)のテーマは中枢神経再生の広範な領域に渡り、多数の研究者が精力的な研究活動を展開している。
 
 Hans Keirstead 先生 
 (カリフォルニア大学リーブアーバイン研究所准教授)
 研究所(UCI)のホームページには、以下のように記述されている――
 2003年、キーステッド博士は慢性(長期間の)脊髄損傷ラットを用いた幹細胞移植研究を始めた。
 2005年、キーステッド博士はthe Journal Glia誌にヒトES細胞から高純度のオリゴデンドロサイト*を分化させたことを報告した。またThe Journal of Neuroscience誌に、ヒトES細胞由来のオリゴデンドロサイト前駆細胞を急性期の・慢性期ではない脊髄損傷ラットに移植し、再髄鞘化と移動能力の回復を報告している。
 博士はES細胞研究で知られるジェロン社と共同研究をしており、2007年内にも受傷直後の脊損者に対してヒトES細胞由来オリゴデンドロサイト移植による安全性確認の臨床試験を行うものと見られている。
*注: オリゴデンドロサイト;中枢神経系に特異的なグリア(にかわ)細胞。ミエリン〔髄鞘〕という薄いシート状の構造物を伸ばして神経軸索を何重にも巻き、軸索内を伝搬する電気的活動を飛躍的に速める。

 内田 伸子先生(Stem Cell Inc.副社長) 
 米国には1500社のバイオベンチャーがあり、その半数がシリコンバレーにある、といわれている。ステムセル社はその代表的企業の1つである。
 創業に関与したIrving Weissman、Fred Gage、David Andersonはそれぞれ、哺乳類の血液、脳、および末梢神経系の幹細胞の発見に寄与したことで知られる著名な研究者である。幹細胞部門の内田伸子副社長は、ヒト神経幹細胞を見出した。 
 同社は、神経系、肝臓、膵臓疾患の治療のために細胞ベースの治療法の発見・開発とその商業化を目的とする、臨床レベルのバイオテクノロジー企業である。同社のプログラムは、疾患や損傷により失われた神経を他の組織に修復すること、あるいはより有効な方法を探ることである。同社は、ヒト神経幹細胞の発見と分離を創始した。細胞は治療的な使用のために細胞バンクで増殖可能である。
 バッテン病とは、酵素不足のため脳内のニューロン細胞が消失にいたる神経難病である。昨年11月、同社の細胞療法製品であるHuCNS-SCTW(ヒトの胎児脳から分離精製されたヒト中枢神経系幹細胞)の安全性確認のために、小児神経外科医により外科的に脳に移植された。これは5年間モニタリングされる。

 中村 雅也先生(慶応大学専任講師 整形外科) 
 読売新聞・東京多摩版(2004年8月)の連載特集
「もう一度歩きたい 第5部:再生医療最前線」では慶応大学の研究ループが紹介されている。
 「慶応大学医学部(新宿区)で、神経幹細胞を、損傷した脊髄部分に移植し、神経を再生させる研究が進められている。世界でも同大だけのユニークな研究だ。  研究を手がけるのは岡野栄之教授(生理学)、戸山芳昭教授(整形外科)、中村雅也講師(整形外科)を中心とするグループ。
 グループは1998年ごろから、神経幹細胞を脊髄損傷部へ移植する実験に着手。2000年には、成体ラットの頸髄を人為的に損傷させ、細胞を移植すべき時期を確かめた。損傷直後の移植では、脊髄再生に不利な細胞に変化してしまったため、損傷後9日たったラットに改めて移植し直した。すると神経細胞などに変化し、運動機能の回復が明らかに認められた。
 さらに01年、同様に脊髄を人為的に傷めたサル55匹に損傷9日後、ヒトの胎児から採取して増殖させた神経幹細胞を移植。約2か月後には移植したすべてのサルの腕の筋力と自発運動量が、移植しなか ったサルの約2倍にまで回復したことを確認した。現在も経過観察中だが、米国の他の研究グループからは今すぐにヒトに応用しても安全面で不安はない、と言われている。」
 岡野研の脊髄損傷研究グループの中心メンバーが整形外科の中村雅也先生である。今回は動物実験ではあるが、生物製剤投与による劇的な回復の研究報告を聞くことができるかもしれない。

  國府田 正雄先生(千葉県立東金病院整形外科部長)
 国府田先生は千葉大学整形外科グループとともに、動物レベルの脊髄再生研究を精力的に行ってこられた。近年は、出澤真理京大准教授が分化誘導した細胞をもちいた研究を展開されている。
 本年5月の第5回神経再生セミナーでは、「神経系に誘導した骨髄間葉系細胞を用いた脊髄損傷治療」について報告(会報33号参照)。 その要旨は――骨髄間質細胞由来シュワン細胞を
1) ラット脊髄完全切断モデルに移植
→神経線維の伸びを促進。後肢機能回復。脊髄内で本来のマーカーを維持。
2) ラット脊髄圧挫モデルに移植(ヒト、ラット)
→空洞を縮小。神経線維の伸びを促進。後肢機能回復。脊髄内で本来のマーカーを維持。
骨髄間質細胞由来神経前駆細胞を
3) マウス脊髄圧挫モデルに移植
→神経線維の伸びを促進。後肢機能回復。
今後はこうした細胞移植の長期的な安全性や機能回復のメカニズムの解明に取り組んでいく予定。

  森 敬太先生(SanBio Inc. Co-CEO)  
 東京大学農芸化学の大学院修士課程を経て、キリンビールへ。その後はカリフォルニア大学バークレー校でMBA取得後に、2001年2月、シリコンバレーに中枢神経系の再生医療の研究開発にあたるバイオベンチャー「SanBio Inc.」を設立と、研究者と企業家の2つの顔を見せる。(同社については会報33号にて紹介)。
 日本で資金を集め、米国で研究開発を展開している。米国で事業を行うのは過剰な規制がなく、キャリアのあるスタッフを集めやすいことを挙げていた。製造などは外部に委託するということで、研究開発に集中したバイオベンチャー企業である。
 同社ではすでに出澤京大准教授の開発した骨髄間質細胞の分離誘導法の技術移転を受けている。今回のシンポジウムでは、その製品であるSB623(骨髄由来神経前駆細胞)の神経変性疾患への応用が目前に迫っており、その展望や、米国のバイオベンチャーによる臨床試験の動向について報告していただく。



日本炎症・再生医学会報告

 2007年8月2-3日、新宿の京王プラザホテルで開催された第28回日本炎症・再生医学会〔会長:岡野栄之慶大教授〕に参加したので、脊髄損傷関係を中心にその一部を以下に紹介する。

〔文責:事務局〕

  ◆ 会長講演:「炎症制御と神経再生戦略」
 脊髄損傷の急性期・亜急性期における炎症制御が再生戦略で重要であることを改めて指摘。抗IL-6〔アイエルシックス〕受容体抗体が炎症細胞の浸潤を制御に寄与していることを示した。
 さらに、炎症反応によって誘導される反応性アストロサイトが神経系修復を阻害する「悪玉細胞」と考えられてきたことに対して、実は障害部位を取り囲み炎症細胞を脊髄の他の部分から隔絶する「善玉説」を提唱するに至ったこと報告した。これは2006年の Nature Medicine 誌にも発表されている。
 
 ◆ 岡野研の演題から:脊髄損傷関係を中心に
辻治彦ら「損傷脊髄に生着した移植神経幹細胞への特異的細胞死誘導」――特異的細胞死により神経幹細胞移植の機能回復メカニズムを解明する。
向野雅彦ら「脊髄損傷に対する抗IL-6受容体抗体の有効性の検討」――急性期に炎症細胞浸潤の抑制効果を報告。
山根淳一ら「サル損傷脊髄に対するhGalec-tin-1導入ヒト神経幹細胞移植の有効性――細胞表面に結合する(糖)タンパク質(動物レクチン)を遺伝子導入すると有意に運動機能が回復。
大木宏一ら「急性期脳梗塞モデルマウスにおけるRNA結合;蛋白質Musashi-1の経時的変化」――脳梗塞後に神経幹細胞マーカーであるMusashi-1の脳の局所での変化を考察。
熊谷玄太郎ら「脊髄損傷に対するES細胞由来神経幹細胞の移植効果の検討」――継代培養した細胞のほうが機能改善に寄与する可能性を指摘。
名越慈人ら「中枢神経系へ向けた神経堤幹細胞の可能性」――新たな自家組織由来細胞の供給源。
今泉陽一ら「成体哺乳類海馬神経前駆細胞におけるGalectin-1の発現と機能」――海馬と脳室下帯ではGalectin-1の機能が異なることを示唆(英文)。
安達一英ら「成体マウス脳室下帯下層の神経前駆細胞の増殖におけるβ-cateninシグナルの役割――嗅球における新生ニューロンの数を増加。
北村和也ら「HGF〔肝細胞増殖因子〕は損傷脊髄の内在性修復および運動機能回復を促進する」――損傷脊髄へのHGF供給で内在性脊髄修復が促進され、有意な機能回復が得られたものと考えられる。
石井聖二ら「ストローマ細胞由来液性因子の解析による発生早期神経幹細胞の生存機構の解明」――ストローマ細胞が神経幹細胞の生存、領域特異性、分化能に影響する因子を分泌すると考えられた。
岡田洋平ら「ES細胞由来神経幹細胞/前駆細胞の時間的・空間的特異性制御」――制御可能なES由来ニューロスフェアは、中枢神経発生の生体外モデルとして様々な応用が可能である。
矢野佳芳ら「胎生期脊髄における時間的空間的に制御されたOligo2陽性神経系前駆細胞の増殖には、Gab1を解したEGFシグナルが必須である」
砂堀毅彦ら「不安定型蛍光レポーターを利用した神経幹細胞の分離・同定」――中枢神経系の未分化細胞での発現が強いネスチン遺伝子の発現を、より正確に蛍光活性として模倣することが可能に。
戸田正博ら「霊長類モデルを用いた樹状細胞移植による神経損傷治療の解析」――脊髄損傷のサルの自己末梢血から調整可能な樹状細胞を採取・培養し損傷7日目に移植し、安全性と有効性を確認。
馬渕洋ら「ヒト骨髄間葉系幹細胞の分離と同定――蛍光色素のラベリングで分析するフローサイトメトリーにより骨髄・臍帯血、末梢血を分析。
岡田誠司ら「中枢神経外傷とサイトカインシグナル」――2次損傷に関係するサイトカインが障害部位を取り囲み炎症細胞から隔絶する善玉でもあり、STAT3が中心的役割を果たす。
岡野ジェィムス洋尚ら「生細胞発光イメージングの再生医学への応用」――脊損マウスに移植した細胞を10ヶ月にわたり観察可能に。移植細胞の数を非襲侵的にリアルタイムにモニター可能に。
高木岳彦ら「末梢神経における拡散テンソルtractography」――新たな末梢神経画像検査法。

 ◆ 神経堤(テイ)細胞:新たな成体幹細胞の可能性として注目されている神経堤細胞について、大隈典子東北大学教授〔脳科学〕が解説した。
 頭頸部の発生には「第4の胚葉」といわれる神経堤が関与する。神経堤は、外胚葉上皮に神経板が誘導されたあと、神経板と外胚葉上皮との相互作用によってそれらの境界上に生じる。
 胚内を広く遊走し目標部位に達した神経堤細胞は遊走先の各種シグナル分子の影響で、多様な細胞に分化する。例えば末梢神経、自律神経系、副腎髄質、皮膚の色素細胞などが代表的。
 将来的には、適当な生体組織から神経堤に由来する幹細胞を取り出し、適切なシグナルを与え様々な種類の細胞に分化させることも可能かもしれない。

 ◆ 間葉系細胞の起源:西川伸一ら(理研)
 間葉系細胞は操作が容易で多能性を有する細胞として注目されているが、体内での動態や発生経路、機能は全く分からなかった。我々の研究により、最初の間葉系細胞は中胚葉からではなく、体幹部でも神経管・神経堤細胞を経て分化することが分かった。しかしその後は、まだ明らかでない他の起源に由来する間葉系細胞で置き換わっていく。



先端医療実現のための諸条件
理研発生再生科学総合研究センター
先端医療財団研究所
西川 伸一
  同じく日本炎症・再生医学会での報告から、先端医療の社会的受容と患者団体の役割を中心に再構成した。なお、「科学」2007年8月号の西川論文「生命倫理と価値多元主義」をも参照した。

〔文責:事務局〕


 胎児脳組織の利用例
 ハンチントン病は大きな不随意動作と痴呆が進行していく遺伝性の神経変性疾患であり、現在のところ胎児脳細胞の移植以外に有効な治療法はない。
 この臨床試験が120例を目標に現在フランスで進行中である。カトリック色の濃いフランスで中絶胎児組織の利用はなぜ可能なのか。その背景には、19世紀末の宰相ジュール・フェリーによる政教分離の徹底(軍と学校からの十字架の撤去)、Nationとしての「不寛容ラインの設定」を挙げることが出来る。
 この研究グループはさらにヒトES細胞による治療実験を来年にも申請するという。フランスでは、中絶胎児組織移植の法的指針が整い、胎児脳移植の研究プロトコルは国家の厳密な管理下にある。
 米国では8割の国民が宗教を重要だと考えている。その米国でIVF(体外受精)を受けた2000人カップルへの調査では、その6割が「幹細胞研究に胚を提供してよい」と答えている。

 不寛容は常識をよりどころとする
 わが国の中絶胎児利用の反対論は、我々の直感・価値観に訴え、彼らの懸念こそが「常識」だと主張している。2つの概念のどちらが常識かを選択させるのは現代民主主義の特徴だ。
 結局、彼らの挙げる懸念に対しては、患者を核に、Patient Adovocates(患者活動団体)が連帯した運動で答えるしかない。
 中絶胎児組織利用を求める運動のアイデアを1つ示そう。中絶胎児組織を本当に必要とする患者が団結し、医師・研究者とともにNPOなどをつくり、寄附を集め人工妊娠中絶の病院を設立する。この病院は人工中絶が目的ではなく中絶組織を利用させてもらうために設立したことを明確に標榜すること。では、このような病院の存在をなおかつ許すわけにはいかないとするには、どのような根拠が残るのか。

 ファイナンスの問題
 先端医療において利潤、税金のみを当てにしての長期の開発は難しい。新しい医療の開発を、従来の経済モデルで支えられるのか?
 患者自身による研究助成
 米国のJDRF(Juvenile Diabetes Research Foundation 若年性糖尿病研究財団)は年間約200億円の予算規模を持つ財団で、患者への情報提供だけでなく、150億円を研究者への助成として支出している。フランスのハンチントン病の治療研究では、国だけでなく、かなりの部分が筋萎縮克服を目指す財団からの助成によっているという。
   
 研究者も患者との連帯意識が必要(日本の問題)
 多くの先進国が研究者の意識変革と対話を通して不信をぬぐい、中絶胎児組織利用においても理解を得たのに、わが国でそれができていないのはなぜか。
 重要な点は、わが国で、医師・研究者と患者が協同して病気を克服するための連帯関係を育てる努力が足りなかったことだ。
 米国の大きな医学関係の会議では、関係企業のブースとともに多くの患者活動団体のブースが設けられ、参加した医師や研究者と対話が行われている。
 他にも、米国ではNIHをはじめ多くの研究所が患者活動団体を運営上のアドバイザーとして意見を聞いているが、わが国ではこのような患者の参加はほとんどない。
 患者自身の研究の支援にとどまらず、病気の克服という目的を共有した患者、医師、研究者、そしてそれを支えたいという家族や一般の人が集まる共同体がまとまって様々な意見を発信する時、それぞれが個別に発信するよりは大きな力を発揮できる。



〔ドリームキャッチャー〕
車イスから見えてきた社会
家族とともに
長江 亮(ながえ あきら)
 1996年、約10年前になる。大学2年のとき、交通事故で脊髄損傷となった。損傷部位は胸椎の7番、左腕神経の引き抜き損傷も加わって三肢麻痺の障害を負った。交通事故で頭を強く打った影響から、事故前後の記憶だけでなく、入院してからの記憶もまったくない。記憶があるのは、リハビリが始まった前後からである。
 リハビリ開始当初は、先のことは全く考えていなかった。起立台でほんの少し起こしてもらうだけで気を失いそうになるし、何もできない自分に何をどうして良いかもわからなく、されるがまま生きているという状態だった。だが、まわりで車イスに乗ってリハビリに励んでいる人たちを見て、徐々に頑張ってみようという気が湧いてきた。まずは普通に機能するところを使って、まわりの方に対するお願いのマナーも含めて、自分の意思でできることを一つひとつ増やしていこうと思った。右腕だけが動かせるという特殊な状況で、リハビリ担当医も苦労されたと思う。マニュアルに沿った方法論がなく、手探りのまま始ったリハビリであったが、左手が使えないのであれば、右手でそれを補えばよい。実に単純な発想から、右手の筋トレばかりやっていた記憶がある。

 リハビリを終え、社会で自活する同じような障害を負った方々と話す機会が増えたのは、この頃からである。管理された病院での生活しか知らず、黙々とリハビリばかりをやっていた私にとって、病院外での生活は別世界の話であり、実に魅力的に感じた。しかし、病院外で生活をするということは、自分で所得を得て生活を営むということである。自分一人では車イスにも移乗できない状態で、どのように自立していくのか。そもそも自立などできるのか、まずそれを考えた。「大学を休学扱いにしてあり、籍は残してある」という話を親から聞いたのはこの頃である。この時ほど親のありがたみを感じたことはない。
 身体機能に著しい障害がある以上、正常に機能する部分でそれを補っていくしかない。むしろ障害を負っているからこそ見えるものだって必ずある、大学に戻ってやるべきことをみつけよう、そう決意した。

 同時期に病院で知り合った知人から自立生活支援センターという団体があることを知り、そこで10日程度という短い間であったが、ボランティアさんの介護で自立生活を行うことを学んだ。そこでは私など比較できないほど重度の障害を持つ人々が、自立を目指して頑張っていたことが強く記憶に残っている。その後復学した。1998年のことである。
 受傷による入院生活で経験し、今でも問題と感じていることはいくつかある。まず、リハビリに関する入院期間の短さである。障害者手帳をもらえるまでには症状固定しなければならない。しかしリハビリに入ると3ヶ月で退院を迫られる。リハビリによる回復度合いは個人差がある。様々な環境が整わず、病院を転々とする人もいる。
 また、親類縁者や家族の協力が得られる人は、退院後の生活も何とかなるケースが多い。しかし、そもそもそのような親類縁者がいない人もいる。家族はいるが、障害を負ったために職を失い、退院後に待つ実生活をいかにして行っていくかという問題で悩まれている人も多く見た。
 私は、家族や親族、友人、障害者団体の人々のおかげで復学を果たすことができた。通っていた大学が国際交流の盛んな大学であったため、諸外国の障害者の状況を耳にする機会も多かった。復学をしてから感じたことでもあったが、日本の大学には障害者が少ない。また、街に出かけても白い杖を持った人、手話通訳者を同伴する人、車イスに乗った人などを見かけることはほとんどない。確かに街を出歩きたくても、物理的に不可能な人もいる。しかし、そうでない人もいるはずである。明らかに不自然だと感じた。このように、健常な時は気づかなかったことを強く意識できるようになり、そういったこと自体を少し掘り下げて考えるようになった。
 我々がおかれている環境はいったいどのような環境なのだろうか。こういった一連の体験が、今の私の問題意識につながっている。

 私は今、経済学の研究職についており、日本の障害者雇用施策が障害者雇用の促進に役立っているのか否かを研究している。今後は障害者雇用問題にとどまることなく、自分が体験して得られた問題意識を基に、どのようにすれば誰も大きな不利益をこうむることなく皆が豊かに生活できるように社会を改善していけるのか、という大きなテーマを持って研究を続けていきたいと考えている。
 今の私があるのも、これまで体を張って日本の障害行政を改善してきた人々のおかげである。その人たちはまた、受傷から今まで、今も変わらずお世話になっている人々でもある。そのような人々を見習って、また今後同じような状況に陥った人が少しでも不利益をこうむることのないように、支えてもらっている家族への感謝の気持ちを強く持ちながら研究を続けて行きたいと思っている。



〔調査報告〕
ヨーロッパの脊損医療とリハビリテーション
――欧州脊損連盟の2007年調査から――
 ヨーロッパの18の国と地域(2007年春現在)の当事者団体からなる欧州脊損連盟(ESCIF )が、各国の急性期医療と一次リハビリテーションの現状をアンケート調査と討論を経て本年6月に発表した。
 多くの国で統一的な公式統計が存在しないため、一部は推計値によるものである。社会制度の多様性のため比較困難な設問もあるが、欧州の現状を知る1次資料として基金事務局で試訳した。2カ国が未回答である。全文はESCIFのHP:www.escif.org を参照下さい。
表1 脊髄損傷の有病率、発生件数、受傷者数
* 各国の人口は基金事務局において総理府統計局の最新年次のデータを記載したものである。

表2 急性期ケア――新規の脊損患者の搬送先(%)
 【第1部:一般事項】  表1では、国あるいは地域の脊髄損傷発生件数の登録が存在する国でさえ、大部分の回答は推定値を提出したものである。登録がある国同士を直接比較することには問題がある。脊髄損傷に関する定義と登録の報告のあり方は国によって異なる 。死亡者を含むかどうかも含め、結論を引き出すには細心の注意が必要である。 

 【第2部:急性期ケア】  表2では、6ヶ国に専門病院や脊損急性期ケア病院がある。英国には11ヶ所あり、クロアチア, スコットランド, アイルランド、スイスには各1ヶ所、スペイン2ヶ所、スロベニアは1ヶ所ある。
 一般病院内のユニットに脊損急性期ケアが設けられていることがもっとも一般的で、広範な新たな受傷者の行き先になっている。専門病棟数はデンマーク;2、スロベニアとスイス;3、ベルギー;4、クロアチア;5、スウェーデン;6、イタリア;10、スペイン;11。ドイツには総計24ヶ所あり、脊髄損傷の急性期ケアの80%が行われている。


 ◆ 呼吸系疾患の問題:深刻な呼吸系疾患を伴う脊損患者(高位損傷)のための専門病棟またはユニットの存在に関する問題への回答では、オーストリア、デンマーク、ドイツ、アイルランド、イタリア、オランダ、スコットランド、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリスのすべてが、国内にそうした施設が存在すると報告した。

 ◆ 心理的カウンセリング:サービスの提供は、閉ざされた家族内ではなく患者自身に提供する大きな流れにあるが、国ごとの違いが大きい。
 カウンセリングが患者と家族の双方につねに提供可能なのは、クロアチア、オランダ、スコットランド、スペイン、スイス。デンマークと英国では、患者自身が常にカウンセリングを受けられる。
 アイルランド、イタリア、ポルトガル、スウェーデンはたまに患者が受けられると回答したが、一方イタリアでは、カウンセリングは時々家族/身内に提供され、スウェーデンではあまり提供されず、アイルランドとポルトガルは、カウンセリングは患者の家族は受けることが出来ないと回答した。 

 ◆ 急性期ケアに影響する当事者団体の取組み:新規脊損患者に対してもっとも一般的に行われるることは、患者と当事者団体の間により近い接点を作り上げる試みである。同様に、多くの当事者団体は急性期ケアに関与する機関とその職員との間のコンタクトを向上させようとしている。

 ◆ 急性期ケアの集中化:クロアチア、デンマーク、フィンランド、スウェーデンでは、この問題が焦点とされている。他方ドイツ、イタリア、ポルトガル、スペイン、英国では専門ユニットの数が増加した。イタリア、スペインと英国からは、急性期のケアにおける集中化と専門化の必要性を強調された。


 【第3部:一次リハビリテーション】
表3 脊損患者の一次リハビリテーションの比率と利用可能なベッド数

 【第4部:個人療法、スポーツ、個人訓練へのアクセス】 
 表4は、一次リハビリテーションで患者に行われた理学療法・作業療法の平均時間数の質問の回答をまとめたものである。リストされた時間に加え、オーストリアでは患者が10-15時間の集団療法をうけるとのコメントがあり、デンマークではさらに5時間の集団訓練が加えられる。
表4 個別療法、スポーツ活動、個別訓練施設へのアクセス
理学療法・作業療法はマンツーマンで実施。個人向けエクササイズ
の75/25は「しばしば」、50/50は「時々」アクセスできることを意味する。
 【第4部:個別療法、スポーツ、個人訓練】 
 表4は、一次リハビリテーションで患者に行われた理学療法・作業療法の平均時間数の質問の回答をまとめたものである。リストされた時間に加え、オーストリアでは患者が10-15時間の集団療法を受け、デンマークではさらに5時間の集団訓練が加えられる。

 ◆ 指導とアドバイスサービス:ほとんど全ての国から回答があり、コースは患者や家族に関心のある脊髄損傷の身体的、社会的、性的帰結について提供される。移動援助、個人援助、車やバンへの適応、ペンション、他の財政的な資格があることは、すべての国で利用可能であるように見える。しかし、宿泊設備や現在の住宅への適合、(再)教育ないし他の職業的課題へのアドバイスはない。

 ◆ 患者や家族向け設備:患者が利用できる設備には大きな差異がある。フィンランドは、個人用の寝室、浴室、部屋のテレビや電話、テレビラウンジ、インターネットにアクセスするパソコンルーム、書斎とゲーム室は一次リハビリテーションの間、いつも利用できる。さらにフィンランドでは家族構成員にカフェ/レストラン、訪問者ラウンジを提供できる。家族のための夜間利用できる施設は時々利用できる、他方では患者とパートナーのための夜間利用できる施設はいつでも利用できる。
 スロベニアとスイスでは、カフェ/レストラン、訪問者ラウンジ、家族構成員や患者・パートナーが夜間利用できる施設を提供する。しかしながら、どちらの国もいつも個人用の寝室と浴室を患者自身に提供するわけではない。
 興味深いことは、患者がリハビリの実施にかなり長期間かかるのに、わずかな国々しか個人用の寝室や浴室のプライバシーを提供しないことである。

 ◆ 当事者団体とリハビリセンターの関係性:両者の繋がりは、当事者団体と急性期ケアの病院やユニットとの関係よりももっと閉ざされているように見える。多くの当事者団体はセンターと通常の連携を個人的にとっていると報告し、当事者団体のスタッフメンバーも積極的である、といくつかの報告がある。リハビリユニットの活動に当事者団体を含めることの実際的程度には大きな差異がある。患者と家族のための夕方の活動や他のイベントのコースを手配する活動はとても積極的に見える。そのような活動やイベントはセンターやユニットで手配される時、多くの人々が参加する。


 【ワークショップ:討論から】 
 ◆ 当事者団体は新規患者に何を提供できるか:必要とされる情報は、法的アドバイス、損害保険の問題、給付金に関する情報、資格や年金、家政や施設などに関するものである。オランダでは、電話サービス「ホットライン」の目的は患者と家族の双方が情報を求めるために用いられている。
 すべてのグループは患者の家族のためのサポートを大変重要な任務と認識している。一般に病院の職員――彼らはしばしば時間と仕事のプレッシャーを抱えていて、これを職責の一部とは定義していない――は、脊髄損傷と診断されたあとの家族に典型的に訪れるショックや悲しみのアシストやサポートに、気乗りしないか出来ないと感じている。
 
 ◆ ピア-カウンセリング:全てのグループによって言及されるもう一つのサービスである。新たな脊損患者が、長年、脊髄損傷とともに生きてきた人々に出会うことから学ぶことが出来る。日常的な活動に役立つ助言や、より微妙な問題である性や生きがいの問題、どうやって障害を受け入れて前進していくか、社会復帰への「来るべき時」といった全体的問題への助言など、これがすべてに卓越した成果を挙げることは、一般的な統一見解である。



〔神経再生研究〕
期待される神経栄養因子 HGF

 HGFとは  肝細胞増殖因子 (HGF; hepatocyte growth factor) は中村敏一ら(大阪大学)によって、肝細胞増殖の本体として1989年に発見・クローニングされたタンパク質である。
 HGFとそのレセプターであるc-Metは肝臓のみでなく広範な組織、特に脳神経系に発現し、1995年にはHGFがin vitro(インビトロ:生体外)で神経製造能をもつことが報告された。
 その後の研究によって、HGFは生体において肝臓の再生をはじめとする様々な組織・臓器の再生・修復機能を担う一方で、運動神経を含めた各種神経細胞に対して強力な細胞死阻止および生存促進作用を示し、神経栄養活性を有する生理活性分子であることが明らかになっている。
 これらの知見から、HGFは難治性神経疾患に対する新しい治療分子になることが期待されている。
表 神経系におけるHGFの標的細胞 (船越ら、2006)
○:効果が報告されている ND.:効果の有無の報告なし

 脊髄損傷モデル動物への効果
 脊髄損傷モデル動物にHGFを持続的に投与すると、神経細胞の変性・壊死の抑制、脱髄抑制、さらには運動機能が改善することが明らかにされた。
 慶応大学の北村和也らは、肝臓などさまざまな実質臓器の組織再生因子であるだけでなく、血管新生作用、神経栄養作用を有するHGFの脊髄損傷への治療研究を進めている〔北村ら、2007-7〕。
 ウイルスベクター〔運び屋〕を用いてHGFを脊髄内に過剰発現させ脊髄損傷を作製したところ、ニューロン、オロゴデンドロサイトのアポトーシス〔プログラムされた細胞死〕を抑制するとともに、血管新生を促進することで損傷範囲を縮小し、亜急性期以降の再生を促進する多彩な作用を認め、下肢運動機能の回復が得られた。
 HGFの臨床応用に向けて、ラット及びコモンマーモセット(小型のサル)脊髄損傷モデルにヒトHGFタンパク質を髄腔内投与の実験を開始している。

 ALSモデルマウスへの効果
 ALS(筋萎縮性側索硬化症)は上位および下位運動ニューロンとその神経線維が特異的に変性・脱落し、運動麻痺が進行していく。ALSモデル動物にHGFタンパク質の髄腔内局所投与を行うと、HGFはALSの発症や病態の進行を抑制するとともに、治療期間に応じた延命作用を示すことが明らかにされた。
 ALSモデルマウスでは、麻痺発症時期と寿命が約1ヶ月延長した。これはヒトに単純換算すると、約6年間の寿命延長効果に相当する(船越ら、2006)。

 ◆ HGFは他の神経疾患モデル動物でも著名な治療効果が明らかになってきている。
表 HGFの治療効果報告のある神経疾患モデル(船越ら、2006)
 このHGFの発見者の中村らは2001年に、大学発ベンチャーとして「クリングルファーマ社」〔大阪府〕を設立し、すでに組換えHGFタンパク質のGMP製造法〔医薬品優良製造基準〕を確立している。
 以上のようにHGFは、動物モデル実験の基礎研究から、ALS・脊髄損傷の両方の難治性神経疾患に有効な作用を示すことが確認されている。また同一の製剤・同一の投与方法で臨床試験の実施が可能であること、共通の前臨床試験データを用いて医薬品開発を進めることができるという点で、2つの難治性神経疾患に対して効率的に医薬品開発を進めることができると考えられている。
 このためクリングルファーマ社では、これまでの基礎研究および前臨床試験の成果に基づき、臨床応用の際に推奨される用法・用量検討のためのALS・脊損モデル動物を用いた詳細な薬効薬理試験を行うことを計画している。
 また、霊長類での髄腔内局所投与の安全性と薬物動態試験を行ない、ALS・脊損患者での臨床試験を早期に開始すること。最終的には組換えHGFタンパク質製剤を用いた難治性神経疾患(ALS、脊損)に対する画期的な治療薬を開発することを目標としており、その進展が強く期待される。

〔基金事務局編〕


〔参照文献〕
船越洋・中村一敏「神経栄養因子・神経再生因子としてのHGF」
『細胞増殖因子と再生医療』、メディカルレビュー社、2006-7
北村和也・中村雅也・戸山芳昭・岡野栄之“臨床応用をめざす脊髄再生”、「Medical Bio」2007年7月号



〔募金活動〕
サントリーラグビー部より
2006-07募金 贈呈


 2007年7月13日、サントリー・ラグビー部の選手の皆様が府中市にある日本せきずい基金事務局を来訪。昨シーズンの競技場で集めた募金、17万2596円を事務局スタッフに手渡していただきました。ずっしりと重い現金に、脊髄損傷者への多くの方々の温かい想いを感じることができました。  サントリー・サンゴリアスの選手の皆様、ファンの皆様、2002年以来の募金活動へのご協力、本当にありがとうございました。


シンガーソングライター
 川嶋 あいさんが
 チャリティオークションに


 昨年のWalk Againで天性の歌声を聴かせてくれた川嶋あいさん。7月の「ヤフー・チャリティオークション」に、ステージ衣装を出品して下さいました。高額で落札となり、売上げはせきずい基金と、あいさんが行ってきたアフリカに学校を建てる活動をしている団体に寄附されました。

 【事務局から】 
 福祉医療機構から今年度は762万円の助成を得て「脊髄損傷者の社会参加マニュアル」の編集を開始しました(編集委員長:住田幹男・関西労災病院リハビリ科部長)。また「脊損女性の出産育児ガイド」の編集作業も大詰めとなりました(編集委員長:牛山武久・国リハ病院長)。ともに新春の刊行を目指していますのでご期待下さい。 



《募集》  在宅リハビリサポートの会「レッツ」
在宅リハビリ研修会2007
》目的を持ったリハビリ《

平成19年10月12日(金)~14日(日)
Ⅰ. 10月12日(金) 13時~17時 骨密度計測.
神奈川リハ内科・水口正人医師による骨密度計測後の個別説明。
参加決定当事者のみ事前予約必要。遠隔地の参加者は当日、近隣は事前受診とする。
待合室:神奈川リハビリテーション病院2F研修室
募集人数:受講者と介助者15組(30名) 見学者40名
対象:脊髄損傷者、家族、介助者、医療従事者、リハビリテーション学生、その他専門職
費用:参加費 障害者と介助者1組2日間2万円、見学費 介助者・学生5000円 その他専門職1万円
Ⅱ. 10月13日(土)/14日(日) 9時30分~17時
講義:「クラインフォーゲルバッハの運動学に基づく脊髄損傷者の動作方法」
   冨田昌夫(藤田保健衛生大学リハビリ科教授)
実技・実習:2日間を通し座位、臥位、立位による体つくりを行います。
   冨田昌夫
   玉垣 努(神奈川県リハビリテーション支援センターOT)
   藤縄光留(神奈川リハビリテーション病院PT)
小児リハビリ実技:14日(日)13時~16時
会場:七沢リハビリテーション病院脳血管センター1F・PT室
主催:在宅リハビリサポートの会「レッツ」
共催:神奈川県リハビリテーション支援センター
後援:NPO法人日本せきずい基金
 問合せ:「レッツ」事務局 垣内優紀子
   〒226-0015 横浜市緑区三保町2640-48
   FAX : 045-934-4720
   メール : yukiko_kk@hotmail.com



私たちは、身体の不自由な方へ 介助・介護 を行います。
私たちは、障害者が地域で自立した生活を営んでいくため、またご家族の介護負
担を軽減するため、ホームヘルパーの派遣を行い、介護や家事などの日常生活の
サービスを提供しています。(居宅介護自立支援法事業)

 利用ご希望の方、話を聞いてみたい方ご連絡下さい。
 担当者がご説明にお伺いします。(都内及び近郊)
 NPO ピッケルニ
〒152-0031
東京都目黒区中根2-13-14 1F
Tel.03(3725)8836
Fax.03(3725)8837
E-mail:piekernie@kjd.biglobe.ne.jp

  居宅介護支援事業所番号
  居宅介護:1311000564
  介護保険:1371002336



基金の活動はカンパで支えられています

 振込先(口座名は「日本せきずい基金」)
    郵便振替 No.00140-2-63307 
    銀行振込 みずほ銀行 多摩支店 
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   いを求めるものではありません。


発行人 障害者団体定期刊行物協会
     東京都世田谷区砧6-26-21
編集人 特定非営利活動法人 日本せきずい基金・事務局

〒183-0034 東京都府中市住吉町4-17-16
TEL 042-366-5153  FAX 042-314-2753  
E-mail jscf@jscf.org
URL http://www.jscf.org/jscf/
この会報はせきずい基金のホームページからも
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