| 〔新刊案内〕 | |
| 『着る・装うことの障害とアプローチ』 | ![]() |
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本書は作業療法士の視点から、障害を負った人々の装いの工夫について、実践的な提案が掲載されている。特に脊髄損傷の合併症状である排尿・排便障害は、ズボンや下着の着脱動作の問題に加え、社会参加と自立の際の大きな障害となっていることにふれ、更衣動作の自立は比較的若年層が多い脊髄損傷患者達のキャリアの構築そのものに関わる重要な課題であるとする。
脊髄損傷者の衣装を扱う第2章では、当事者にも自身の服選びで意識すべきポイントを喚起してくれる。
褥層ができた時は衣服の縫い目が患部にあたらず、寝具等を清潔に保つ必要性。その他、体温調整不良への配慮、トイレ動作の多様性、自走式車いすの日常的使用時の袖の汚れや伸縮性・滑りのよい素材選び、手のグローブのデザイン性、留め具の配慮など。
作業療法士が、ベッド上での寝返りや起き上がり動作の獲得、車いす上での座位保持、更衣動作の練習を通して残存機能を活性化し、患者の残存レベルを広げる試みは重要である。教科書どおりに決めつけることなく各個人に応じた練習を忘れてはならない、と指摘している点には非常に好感をいだいた。
当事者の立場だと、いちいち誰かに自分の着る服の改造をお願いしなくてはならないのは気が重かったりする。万が一その人に何かあったら自分に合った服を着た生活が出来ないと思ったり、改造へのコスト等、余計な心配をしてしまったりする。本当は健常者のように購入したまま着れるのが一番いい。
そのためには継続的なリハビリが必要だ。病院でのリハビリが無理なら継続的な自主トレをし、上記のように身体を使った練習により残存レベルを広げ、更衣動作をより向上させ、装いの幅を広げる努力を続けていきたい。それにより自立度が向上すれば、自分で買い物に出かけ、好きな服を自分で選ぶことにも繋がる。外に出るようになれば、どの店に車いすでも使える試着室があるかを知ることができるだろう。
本書は脊髄を損傷して日が浅い当事者やその家族、そして作業療法士や一般の人にも、患者がどのような点に考慮し装いを考えていくべきかの入門編として最適だ。装いは、個人の価値観や趣向を表現する、人として重大な要素であり、健常者でも障害を負った個人でも同様だ。脊髄損傷患者が障害に臆する事なく街に出ておしゃれを楽しむきっかけとなって欲しい。(瑞)
〔会計報告〕 平成17年度収支計算書
(平成17年4月1日~平成18年3月31日)特定非営利活動法人 日本せきずい基金
注1) 福祉医療機構:475万円、損害保険協会:300万円 2) 個人募金:600万円、ヤフーオークション:150万円
ラグビー関係:100万円、協賛金:75万円、ほか3) 『脊損ヘルスケア・Q&A編』13,000部無償配布 4) 「基金ニュース」4回発行x13,000部無償配布