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〔ブックガイド〕
脊髄障害女性の出産と子育て
赤ちゃんとの出会いを語る
国立身体障害者
リハビリテーションセンター

A4判20頁 2005年5月刊
 本書は、創立25周年を迎えた国立身体障害者リハビリテーションセンターの記念事業として刊行された。同センター病院・泌尿器科の牛山武久先生は、「脊損患者に子宝に恵まれ、初めてリハビリが完全なものになる」の信念のもと、10年前から「ハローベビーコーナー」を設置した。本書の内容は、そこで出産を経験した女性達と看護師の座談会で構成されている。
 わが国で、現在出産年齢にあたる脊髄疾患の女性は約2千人と推定される。事故や病気で、突然車イス生活を余儀なくされる状況の中、それでも恋愛をし、家庭を築き、子供を持ちたいと思うのは、人間として当然の欲求であり、国リハでその取り組みがなされてきたことを知ることは、とても心強い。
 妊娠中の合併症、妊娠中に車イスを車載する際の注意点、分娩の方法、トイレの時間、保育園や学校等、当事者しか分からない問題を、バランスよく網羅している。妊娠時、常時服用している薬が、どこまで安全かは明記していないので、その点は、脊損の出産に慣れている病院の医師に相談する必要はあるだろう。
 脊損女性を取り巻く環境は、現在変わりつつある。その理由は、以前に比べ、健常な人と車イスの人の結婚を認めてくれる家族が多くなったからだそうだ。そして、男性が車イスの場合でも、「人工授精で産める」ということが、さらっと言える時代になったことが大きいとも言う。高齢化社会に向かう私たちが、古い概念を捨て、人々の多様性をこれまで以上に認め合い、お互いが暮らしやすい環境を構築できれば理想だと思う。
 本書を読んで、結婚、出産を前向きに考える脊損女性が増えることを願ってやまない。
 <瑞>
 * 希望者は基金事務局までお知らせ下さい。無償配布致します。



明日への架け橋
古跡 博美 著
明日への架け橋 
文芸社 
46版128頁
2005年5月刊
本体1200円+税
 仕事も家庭も順調だったはずが、ある日突然襲った病。人工呼吸器をつける体になったとき心で叫んだ。
“こうしてまで生きていていいのか?俺の人生はこれで終わるのか?”いや、くたばるわけにはいかん!
 その思いに突き動かされ、様々な思いをパソコンを駆使して書き続ける・・・・・・。
 目の前に、明日への架け橋が続く限り・・・・・・。
 四肢マヒで24時間呼吸器使用となってから10数年。古跡さんは広島県三原市で在宅生活をしている。その日々の、医療関係者への思い、独りでいることの不安、家族やボランティアの輪のなかに芽生える希望――をエッセイとして、短歌として記す。 



排泄学ことはじめ
排泄を考える会 著
排泄学ことはじめ
医学書院
B5版208頁
2003年8月刊
本体2600円+税
 脊髄損傷者にとって排泄は日々の重大問題である。しかし、便失禁となったとき、どこに相談に行ったらよいのか?医療サイドの受け皿が殆どないために、一人悩んでいる方も多い。
 本書は、排泄に関する基礎知識をQ&A形式で紹介する第1部「排泄のメカニズムとその問題」と、<途方にくれるような>困難事例を泌尿器科医や大腸肛門科医らが検討する第2部「事例編」から構成されている。
 事例9は原因不明の脊損者の便失禁を、事例10では外傷性脊損女性の尿・便失禁を扱う。事例紹介→カンファレンス→キーワード→私はこう考える(専門医や看護師など)と展開され、その解決法を探っていく。
 便失禁対策としてアナルプラグ(コロプラスト)の使用など、もっと試されても良いのではないだろうか。


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