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特定非営利活動法人 Japan Spinal Cord Foundation日本せきずい基金ニュース
No. 24
−【目次】− ● 急性脊髄損傷への臨床試験実施へ
● 造血ホルモンと皮膚幹細胞による急性期治療
● 臨床試験に関する国際ワークショップ報告
● プロジェクト・ウォーク:脊髄損傷リカバリー
● ICCP臨床研究ガイドライン作成へ
● 『脊髄損傷者の自己管理マニュアル」刊行
● 第4回アジア太平洋神経再生シンポジウム
急性脊髄損傷への日本初の臨床試験を実施へ
関西医大、2年間で23例を実施予定
第4回脊髄再生セミナーを開催
2004年10月16日(土)午前、東京・神宮前の「こどもの城」会議室において、当基金主催で第4回脊髄再生研究促進市民セミナーを開催し、定員一杯の120名の方々が参加した(後援:全国脊髄損傷者連合会、全国頚髄損傷者連絡会)。
これは京都大学と関西医科大学の研究チームによる「骨髄由来細胞の移植による脊髄損傷の治療」の実施が目前となる中で、本年1月の同研究チームとの懇談会の申し合わせに基づき開催されたものである。
研究チームからは、4人の先生方が参加された。
鈴木 義久(京都大学・形成外科助教授)
井出 千束(京都大学・機能微細形態学教授)
福島 雅典(京都大学・探索医療部教授)
中谷 壽男(関西医科大学・救急部教授)
これまでの脊髄再生研究について
まず鈴木先生がこれまでの研究の中から、なぜ脊髄間質細胞移植を選択したかについて述べられた。
人工材料:10年以上前から脊髄再生研究を行ってきた中で、最初に人工材料により切断した脊髄の隙間をつなぐ研究を行ってきた。海草の一種である褐藻 の多糖類から抽出した人工材料である。その中でアルギン酸スポンジがもっとも再生に適していた。生体内での分解吸収性もあり、これを脊髄の傷ついたギャップ(隙間)に移植すると一定時間後に生体内で分解するのと並行して、脊髄の再生が確認された。ラットの切断された2mmのギャップに埋め込んだところ神経突起が伸びて、インパルスも電気生理学的に確認された。
ただし、脊髄を完全切断し埋め込むことを人に臨床応用することは現実にはそぐわないものである。
神経幹細胞移植:並行的に神経を生成する元となる細胞である神経幹細胞の研究を進めてきた。神経幹細胞は現在では脊髄からも得られることが判ってきた。ラットの脊髄に神経幹細胞を非常にたくさん含んでいるニューロスフェアを移植すると、脊髄組織に非常に多くの神経突起を伸ばしていることが確認された。
しかし神経幹細胞移植には2つの問題があった。1つは、脊髄の損傷部に直接針で注入することは、注入操作だけで脊椎への外科手術が必要となることの問題と、針の注入による組織の2次損傷の危険性である。
そこで、脳脊髄液に注入する方法を検討し、ラットの実験により移植した神経幹細胞が自ら損傷部を認識し、修復機能を果たしていることが分かった。
もう1つの問題は、移植した神経幹細胞の増殖を止めることができないということである。1年以上の経過観察でもその増殖は止まらず、いわば良性腫瘍に近い状態が見られた。どこかでこの増殖をストップさせるメカニズムを研究しなければ、神経幹細胞のヒトへの臨床応用は出来ない、と我々は考えている。
骨髄間質細胞:現段階で臨床応用を考えたとき、その第一候補となったものが骨髄の中にある間質細胞である。骨折部を自分の骨でつなぐことは昔から行われており、骨髄の安全性は確立している。
この細胞を培養し脊髄に損傷を与えたラットの脳脊髄液に注入したところ、損傷部に有効な作用を及ぼしていることが確認された。脊髄の瘢痕の空洞サイズも減少し、運動能力も明らかに向上していた。
単核球・シュワン細胞:骨髄の海綿骨から遠心分離法で単核球を分離し、損傷ラットに脳脊髄液経由で移植すると、損傷部の修復と行動の改善が見られた。
また骨髄間質細胞から分離したシュワン細胞(神経細胞の支持細胞)を同様の方法で投与し、神経修復作用と損傷部の空洞の縮小と行動の改善を確認できた。
臨床試験の概要
今回予定されている臨床試験のプロトコル(臨床試験実施計画書)について、鈴木先生が紹介した。
治験名:「急性期脊髄損傷に対する培養自家骨髄間質細胞移植による脊髄再生治療の検討」
今回は第T相・第U相試験として実施。
目標症例数:23例。生物統計学的に必要とされる症例数であり、2004年12月から2006年11月までの2ヵ年で実施する。
患者登録:研究責任者または研究分担者は症例の適格性を確認後、患者に骨髄海綿骨採取及びその後の治療に関して文章による同意を得る。1次登録した患者は「臨床研究情報センター」*のデータセンターにデータを匿名化してFAXする。
〔注*:基礎研究から臨床応用への橋渡し研究(トランスレーショナルリサーチを推進する拠点として文科省と神戸市が設置〕
1次登録の適格基準:受傷後2,3日以内に行う。
@ MRIで脊髄の部分損傷が認められる患者。 A 脊髄損傷により運動感覚機能が欠如し、ASIA機能障害尺度でA、B、Cに該当する患者。受傷後8時間以内にメチルプレドニゾロンの投与または投与開始予定の患者。 B 受傷後72時間以内に脊椎の修復・整復手術が可能な患者(その際、採取した腸骨に含まれる骨髄間質細胞を培養する)。 C 15歳以上60歳以下の患者。
2次登録の適格基準:受傷後10日〜2、3週間後
→上記を満たし、多臓器不全など重篤な合併症がない患者に2回目のインフォームドコンセントを実施し、了解を得られれば移植を実施する。
@ 培養により間質細胞が106個以上確保された者。 A 受傷後3週間以内に移植が必要な患者。 B 2次登録の3日前にASIA機能障害尺度でA、B、Cに該当する患者
移植後6ヶ月間、経過観察を行う。
症例検討会:2次登録の前に、患者が本試験に参加するかどうかの適格審査を1人以上の外部委員が参加する3名以上による検討会で決定する。
効果安全評価委員会:有害事象が報告された場合、臨床研究情報センター内のデータセンターに報告し、同センターに外部委員が参加した効果安全評価委員会を設置し、この試験を続行するかどうかを評価する。
品質管理:採取した骨髄間質細胞の培養はGMP基準(医薬品優良製造基準)に合致した施設のある臨床研究情報センターで実施する。培養時に使用するウシ胎仔血清は、BSEが未発生のオーストラリアないしニュージーランド産の証明書のあるものを使用する。
培養細胞は脳脊髄液に注入するためウイルス感染があってはならず、B型・C型肝炎、梅毒、インフルエンザなどすべての検査を実施し、患者が陰性の場合に実施する。
治療計画:細胞の保存方法、摂氏何度で輸送するかなどすべて動物実験を行って決定している。培養で余剰細胞が生じた場合はすべて廃棄する。
細胞移植の方法:腰椎麻酔を行うのとほぼ同じレベル、ほとんど馬尾神経のレベルで針を挿入するので、脊髄がこの針で損傷することはほとんど起こりえない。
有害事象:脊椎修復手術に伴い、疼痛、感染、出血が考えられ、移植においては頭痛が予期されるので、その対処法を文章化している。
回復の指標:1992年に改定された「脊髄損傷の神経学的及び機能分類に関する国際基準」〔ASIA/IMS OP〕に基づいて、患者の試験前・試験後を評価する。
倫理的条項:ヒトを対象とする医学研究の倫理的原則である「ヘルシンキ宣言」に準拠した方法で行う。
インフォームドコンセント:研究デザイン、根拠について説明する。治療に使用する薬、細胞、予想される利益と可能性のある不利益に関して説明する。
副作用、検査、術前・術後の写真・ビデオ撮影の許可、通常の治療法の実施なども説明。この試験に同意しない場合も一切不利益を受けることがないこと、この同意はいつでも撤回可能であることも明記した。
〔なお、患者への説明・同意文書(案)に関しては、セミナー終了後に当基金にコメントの依頼があり、当方の要望を付してその検討を要望している。〕
治験の中止:主任研究者(中谷教授)から重篤な有害事象の報告があった場合、論文や学会発表、感染症報告などに当該試験以外から得られた新しい情報によって安全性の再検討が必要になった場合、あるいは統計解析責任者からの中間解析の結果によって再検討が必要な事態になったとき、医師が中止が必要と判断したときなどは、治験を中止する。
前臨床研究における論点
サルによる動物実験:ヒトでの臨床試験の前に、より人間に近い霊長類で事前に試験すべきだとの意見がある。現実に臓器移植などの研究においては臨床応用の最終段階としてヒヒ等の霊長類が使われている。
我々は、「サルを用いた脊髄損傷の治療法の開発」というテーマで、2003年2月に京都大学医学部の動物実験委員会に申請をした。しかし、サルによる実験の必然性がないこと及び動物愛護の観点から、ほぼ全員の委員の反対で非承認となった。
免疫不全サルによる安全性試験:健常なサルの脳脊髄液経由で自己の間質細胞移植を行って経過観察を行った。1週間後に脊髄を取り出して観察すると、損傷部だけでなく脊髄の表面全体に移植細胞が貼りつき、修復の可能性があることが確認された。この時点での組織学的検査や髄液検査でも副作用的なものは確認されなかった。
腫瘍化・骨化の可能性:骨髄間質細胞は移植後1ヶ月か1ヶ月半で消失するため、長期的副作用はないと考えている。骨の成分を脳脊髄液に投与した場合、石灰化して異常な骨ができないかという意見がある。骨髄間質細胞の場合、骨形成タンパク質(BMP)や骨に分化するような分子をいれなければ、普通は骨系の細胞に分化することはない。何百例もラットで実験を行ってきたが、1例たりとも移植細胞が骨組織に分化した例はない。
大阪の脊損医療と関西医大の受け入れ態勢
関西医大の中谷先生からは脊損の地域医療と臨床試験の実施施設としての報告がなされた。
大阪の人口は約900万人、そこに13の救命センターがある。またリハビリ科あるいは整形外科のある病院が242ある。この255施設にアンケート調査を行い130施設から回答があった。この130施設で年間に200〜250人の急性の脊髄損傷の患者を収容していた。そのうち12の救命センターで約半数の100人、残りの多くの病院で半数。ところがその内訳では、130の病院で「1人も患者を収容しませんでした」という施設が大半であった。実際に患者を収容した病院は40〜50施設くらいで、その中で5人以下というのが大半である。10人以上を収容した施設は大阪でも1、2しかない。それは関西医大の施設であり、年間20〜20数例の患者がある。
関西医大高度救命センターは、救命センターの中核である救急医学科に医師がおり、消化器内科、整形外科、麻酔科、形成外科といったサブスペシャルを持っている医師が集まっています。こういった救急医学科の医師が大体10〜15名いる。それに脳神経外科医が常駐し、整形外科医、胸部心臓血管外科医、眼科医も交代で派遣されてきている。また救命センターはどうしても精神神経科との縁が深く1年交代で常駐している。そこへ形成外科、熱傷とか顔面外傷、切断した指の再接着など、われわれと関係が深いもので、連絡を密にして毎日回診してもらっている。こういった組織で高度救命センターを運営している。
再生医療の効き目と副作用
福島先生は臨床試験計画に関する専門家であり、本研究に限らず高度の先端医療研究をどのような視点で捉えるべきかのお話があった(以下はその要旨)。
「再生医療の効き目と副作用」とは、「薬の効き目と副作用」とほとんど同義である。1度自分の細胞を体外に出して培養すれば、もともと自分の細胞だ、生体の組織と同じだ、と無邪気に考えられるものではない。体外でどのような汚染があるか、何が入ってくるのか分からない、細胞の性質も変わっているかもしれない、ということで生易しい世界ではない。
副作用も短期的に見るか長期的に見るかで、まったく判断が違ってくる。私はガンが専門だが、一端症状が良くなっても、実は命が短くなる可能性もある。
動物実験から人間での臨床試験との間は「橋のない川」ということも出来る。動物実験の場合には、実験系の条件を極めて厳密に組むことが出来る。イヌやサルの脊髄を損傷させる場合も、その圧力や部位など計算づくにやっているので、交通事故や階段から転落した場合とは別世界である。しかも構成している細胞の構築状態から何から何まで違っているわけで、動物実験で人の病気を代行することは事実上できない。患者は十人十色。1人ひとり疾患が違うと考えることが重要である。
もう1つは、効果と副作用を考える上でも、患者にはいろいろな選択肢があること。生活の質、日常生活の維持、お金の問題など全部考えて意思決定しなければならず、患者によって意思決定は違ってくる。
治療効果を考える上では、証拠レベルが何かである。系統的に第T相、第U相、第V相、第W相、つまり安全性試験から効力試験、有効性試験、有用性試験まで全部やらなければならない。このようにして確率的な精度が向上して、この治療法はどのくらいの確率で効果がある、と我々は初めて言えることになる。そこで臨床試験の規模をどんどん大きくして、それで初めて確率的に我々は言えるということになる。
脊髄損傷について言えば、時間と共にどうなっていっているのかは事実上分かっていない、と言っていいと思う。だから、それを元に戻すことをどうやっていくかは生易しいものではない。脊髄損傷への理解はまだその段階にある。最終的には立って歩けるところまでしなければならないわけで、そこまでの道のりを計画的に考えなければならない。
臨床試験のリスクとベネフィットの問題では、ベネフィットばかり見ていてリスクを見落とせば大変なことになる。このバランスは多元的に、確率的に、経時的な洞察が必要である。
再生医療でかりに腫瘍が出来ても、それをコントロールする別の方法があれば問題にはならない。要は副作用を管理できるかどうかである。
また1例ずつ症例を積み重ねるということは、特定の外科的手技を除いて、100例繰り返しても新しい治療法にはならない。
厳密なプロトコルによって初めて臨床試験を評価することが出来る。着実にゴールに近づくにはアバウトなことをやっていてはダメで、何例の症例をやればきちんと評価できるということを設計しておかなければならない。
あらゆる臨床試験には原則がある。それが人体実験ではないこと、単に証拠(エビデンス)を得るという軽薄な目的のためにやるものではないし、医療の一形態として認知されなければならない。
こうした臨床試験をするには、多くの症例があり、国際的に見てもトップレベルの医療水準、つまり日常診療レベルがトップレベルになければ、再生医療も含めこういう新しい医療をやってはならない、ということもポイントの1つである。また高い倫理審査の水準が不可欠だが、殆どの大学では出来ない。
今回は時間はかかったが、鈴木先生のもとで世界でも最先端のプロトコルを作成することができた。中谷先生のところは集学的に結集した救命救急センターになっている。データセンターに関しても、日本で初めてのアカデミックなものを作ることが出来た。
これだけの基盤を京都大学が初めて作り出すことができた。私は鈴木先生、井出先生のこの臨床試験に非常に期待している。何よりも、脊髄に沿って細胞が貼りついていくということに非常なユニークさと1つのポイントがあるように思う。
質疑応答
1.研究者から
最初に脊髄再生研究を進めている慶応大学医学部の中村雅也先生から、研究者の視点から発言していただいた。
中村:私たちは神経幹細胞を損傷部に注入してその再生というものをやっておりますが、先生方の研究で幹細胞の腫瘍化ということはありましたか。
鈴木:経時的に観察すると常に細胞数が増えているという所見で、「腫瘍化」という言葉を使いました。
中村:私たちは千匹以上のラットで、長いものは3年経過していますが、MRI等で腫瘍を確認した例は1例もありません。実験手技や細胞条件が違うかもしれませんが。
それから脊髄に直接注入することは非常に危険で侵襲が大きいという話がありましたが、熟練したドクターであれば顕微鏡下で危険なく実施することができます。
もう1点、骨髄間質細胞が残存しないということです。何らかの液性因子が内在性の幹細胞を賦活化したり、2次損傷を抑えるファクターがあったと思いますが、そのファクターが同定されれば、骨髄間質細胞からそちらに移行することもあるのでしょうか。
鈴木:熟練した医師がやればリスクは最低限に抑えられるということはもっともなことです。ただ我々は治療法の簡便性を重視しており、例えば「低開発国」でも、内科医でも行えるという普遍的な方法を目標にしていきたい。
有効な液性因子を同定できた場合に、細胞抜きで投与するということも考えられますが、脳脊髄液は1日に5回も6回も還流するので、持続的な投与にはポンピングするなど煩雑になる可能性があります。
2.フロアから
Q:このプロトコルでは、リハビリテーションなど細胞移植以外のケアはどう書いていますか。
中谷:移植は従来の治療・リハビリに一切影響されず実施されます。ただ救命センターというものは制度的に、次々と発生する重症の患者を収容できるようにしておかなければなりませんので、リハビリは別組織にお願いするという状況になっております。
福島:今の指摘は極めて重要で、あらゆる臨床研究において基礎療法、即ちステート・オブ・アート(最高水準)が保障されなければならない。リハビリについてはプロトコルにきちっと規定します。
Q:最高のリハビリを受けた場合に、移植を受けないでもどれくらいの回復があるかをコントロール群と比較してほしい。
福島:後治療(移植後の治療)についても、それが影響を及ぼす可能性がありますからきちっと規定して、特にリハビリについてはこのプロトコルを改定する必要があると認識しています。
Q:うちの息子は怪我をして10年たっていますが、その場合どうなるのでしょうか。2ヶ月たって息子の足が動くのが分かったのですが、医師は「そんなのお母さん、震えですよ」と言われました。あと10年たって、例えば注射でポコンとして、あとはピーンとなるような、そんな研究を進めていただきたいと思います。
鈴木:我々が得られた所見からは急性期の治療が関の山で、残念ながらケガから3、4年たった方には貢献できないというところが本音です。しかしこうした研究が振り出しとなって慢性期の患者さんの治療につなげていければ、という夢をもっています。
井出:急性期に効いたのは、損傷された脊髄が変性してしまうことを抑えてしまうからだ、と我々は考えています。慢性期になりますと変性した後になってしまいますから、今度は違う概念でやらなければならないということになります。その概念というものは、脊髄はかなり時間がたっても再生能力を持っているのだという立場に立つものです。再生能力を持っているのでそこに何らかの手段で細胞を植えるか何かをすれば、どんなに慢性期の場合でも再生を起こす可能性はあるのではないかと思っています。今、急性期の治療が始まれば、次に慢性期の治療を我々はそういう観点からぜひやりたいと思っております。
おわりに:脊損専門医療センターを
井出:本日は、私たちの研究プロジェクトの説明のためにこんなにたくさんの人にお集まり頂きましてありがとうございます。私たちの研究にはこの1月にご説明したときから福島先生のご協力を頂いてプロトコルを作成しました。それから細胞培養の施設を厳密なところで行うこと。この2点を中心に計画を進めてまいりました。そしてたくさんの方々のご協力を頂いて、厳密な計画が出来上がってきました。このように臨床の前段階に来ましたこと、そして皆様の前で説明できることに感慨無量です。
今日いろいろなお話が出ましたが、急性期の問題から慢性期の問題へと大きな問題が残りますが、これは私たちの大きな課題だと思っています。それから、リハビリテーションの問題ですが、我々自身がリハビリテーションを本当に十分にやりたいと心から思っているのですが、それが実際に出来る場が多くないということが問題点です。それから、研究から治療、リハビリという流れを持っている病院が殆どない、というのが大きな問題だと思います。
私たちはこれから、研究はもちろん臨床、治療、ケア、リハビリまでそういう一連のことができるようなセンターのようなものを日本で作りたい。今、九州に1つありますが〔飯塚市の総合せき損センター〕、そういうものを関東にも関西にもできるようなプロジェクトを我々ができるならば推し進めていきたいと考えています。これは本当に今日は第一歩だと思いますが、今後の大きな福祉の発展のために我々も微力を尽くしていきたいと思っています。今日は本当にありがとうございました。
〔追記〕 患者への説明・同意文書には当基金のコメントを勘案して検討されている。プロトコルの公開も求めたが、知的所有権の問題などが残るものの、今後のリーディングケースとして最終版が公開されることを期待したい。なお、セミナーの詳細は基金ホームページに全文掲載する。<事務局>
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