会報10号 ページ14


【質問2】 重度の脊髄関連傷病者について

1)「患者がいない」:31施設(内、大学病院が15施設)

2)「受け入れ困難」:17施設(内、14施設が大学病院、
  2施設が国立病院)

3)「受け入れ困難」の理由(施設数、複数回答)
@スタッフがいない・足りない 8 E構造・設備が車椅子用でない 1
A専門家がいない 2 F合併症治療が困難 0
B手がかかるわりに報酬が少ない 0 G退院先がない 5
C長期入院の可能性が高い 8 Hその他 8
D設備がない 1 . .


4)「受け入れ困難」とする施設の内訳 

@スタッフがいない:私立医大2校、公設医大、国立医大2校、
             宗教法人系、民間リハビリ病院

A専門家がいない:私立医大、公設医大

C長期入院の恐れ:国立医大2校、国立病院、私立医大、公設医大、
             共済病院、民間リハビリ病院、宗教系病院

D設備がない:私立医大

Eバリアフリー対応:私立医大

F合併症治療困難:私立医大

G退院先がない:国立大学2校、公設医大、民間リハビリ病院、
           宗教法人系

Hその他:理由――

病院機能として対象外(2)、急性期対応のみ(2)、救急ベッドなし、
予約患者が多い、改築中、リハビリ病棟がない


▼質問2.へのコメント

  重度の脊髄疾患患者の受け入れが困難とした17施設において、治療自体が困難としたものは3施設のみで、人的・物理的環境から医療従事者は受け入れ困難との回答が圧倒的である。

  看護・リハビリを主とするスタッフ数の問題、長期入院の可能性を挙げるものがそれぞれ8件と最も多く、退院先がないからとするものが5件で、これについでいる。


■ 【質問3】 最大で受け入れられる重度の脊髄損傷患者の受入数は

()内は調査時の在院患者数

・頚損は不可:1施設――日赤病院(1)

・頚損を制限:4施設――私立病院(1)、公立リハビリ病院(11)、
               公設医大(4)、国立医大(1)

・1名まで :1施設――私立医大(1)

・2名まで :7施設――私立医大リハ科(3)、都立病院(2)、
               日赤病院(1)、公設医大(1)

私立医大(3;救急は制限なし)、私立医大リハ病院(1)、労災病院(2)

・3名まで :3施設――私立医大(4)、労災病院(3)、国立医大(1)

・4名まで :3施設――都立病院(2)、
               社会保険病院(4、頚損は2名まで)、日赤病院(1)

・5名まで :7施設――私立医大(5)、
               私立医大(5、頚損は2名まで)、日赤病院(1)、
               私立医大(1)、私立リハ病院(8)、国立医大(5)、
               公立医大(4)

・6名まで :1施設――企業リハ病院(6、頚損は2名まで)

・7名まで :2施設――公設医大(4)、公設医大(1)

・8名まで :1施設――労災病院(6、脊損センターあり)

・10名まで :3施設――私立医大(6)、県立医大(7)、
               私立医大(5、頚損は5名まで)

・10名以上

15名;労災病院(11、脊損センターあり)、20名まで;労災病院(15、頚損は15名まで)

50名;労災リハ病院(40、頚損は10名まで)、労災病院(49、脊損センターあり)

70〜75名;労災リハ病院(100)

76名;国立療養所(60)

80名;県立リハ病院(80) 

回答:39施設(質問2で受け入れ困難とした17施設は含まれていない)



図5 最大で受け入れられる重度脊損患者数は
(受け入れ困難の17施設を加えた、56施設)


▼質問3.へのコメント

  単純集計すると1名以上受けられる施設の受入枠は490床、調査時の在院患者数は448床で足りているようには見える。しかし時期的変動を見込めば、数名以上受け入れる施設は事実上は満床状態と言えよう。

  問題は脊損医療リハの比率の高い施設の状況であろう。50名までとした労災リハ病院では調査時の患者数は40名であったが半年後には60名を受け入れている。70〜75名とした別の労災リハ病院も外傷性以外を含め100名を受け入れている。また脊損病棟のベッド数=受入枠としている施設もあり、それらの施設はほぼつねに満床である。その使命感から脊損医療を現に担っている施設が、スタッフ上も経営上も過重な負担を負っていることを窺わせる。労災病院においても事業団本部から赤字縮小を迫られてきているという。

  またこの調査からは明らかにできないが、入所希望の待機患者もかなりいることが推測される。

  リハビリ施設において数名までとするところが何ヶ所かある。これらの施設は脳血管障害による片マヒ患者のリハビリを主としているものと思われる。一側麻痺と下肢麻痺、四肢麻痺では介護度には大きな差があり、1名までとした私立医大リハ病院はその理由として病院管理上の問題を挙げている。

  なお、リハビリ療法で高い保険点数を請求できるのは、人員施設基準を満たし知事の許可を得た場合に限られるが、調査対象の総合病院がこの基準を満たしているかどうかはこの調査では不詳である。





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