会報10号 ページ13
回答内容
【質問1】 現在、重度の脊髄関連傷病者は入院していますか。
(1)いる:72施設、いない:31施設、無回答:3施設 (計:106施設)
(2)調査時の患者総数:744人<総病床数に対する比率:1.13%>
患者の内訳:頚髄損傷 65施設 399人(53.6%)
胸腰髄損傷 48 269 (36.1%)
呼吸器使用 18 43 (5.8%)
* 呼吸器使用者数は、病棟のみで救命救急センターを加算していない回答が多いものと推測される。
(3)患者数の多い医療機関
<調査時の患者数> @ 総合せき損センター
(労働福祉事業団・飯塚市、150床)100人
(外傷以外を含む)A 県立神奈川リハビリ病院
(厚木市、280床)80 B 国立療養所箱根病院
(小田原市、200床)60 C 国立身体障害者リハビリセンター病院
(200床)50 D 美唄労災病院
(労働福祉事業団・400床)49
(脊損センター)E 吉備高原医療リハビリセンター
(労働福祉事業団・岡山、150床)40 F 星ヶ丘厚生年金病院
(枚方市、644床)31 G 愛媛労災病院
(労働福祉事業団・松山市、356床)30 H 農協共済連・中伊豆リハビリセンター
(静岡、158床)19 I 燕労災病院
(労働福祉事業団・燕市、300床)15 大阪労災病院
(労働福祉事業団・堺市、762床)15 ベスト10(11施設)合計: 489人
(65.7%)
* 未回答でこのランクにあると思われる施設には、国立療養所村山病院(東京)、国立伊東重度身体障害者センター(静岡)、中部労災病院(愛知)、農協共済別府リハビリセンター(82床)などがある。
(4)患者が3人以上いる施設の開設種別(比率は、回答施設患者の総計)
1) 大学病院 国立 3施設 18名
公立・公設 4 15
私立 7 35
(大学病院小計:14施設 68人 9.1%)
公的医療機関 14 136
(18.3%、内80名は1施設)
社会保険団体 6 71 ( 9.5%)
労働福祉事業団 12 290 (40.0%)
国立病院、施設 2 130 (17.5%)
その他 4 22 ( 3.0%)
合計: 45施設 717名 (96.4%)
2) 公的セクターの比率
国(大学、病院、施設、事業団) 17施設 438名(58.9%)
地方公共団体(関連団体を含む) 11 151 (20.3%)
その他 17 128 (20.8%)
3)病床数別
200床以下 8施設 317名 500床以下 4施設 25
300床以下 4 109 501床以上 23 154
400床以下 6 109
合計: 45施設 717名
(5)入院治療の目的(重複回答)
急性期治療 44施設 リハビリ 38施設
合併症治療 20 その他(家屋改造等) 5
▼質問1.へのコメント
重度脊髄関連傷病者が調査時にいた施設は106ヶ所中72施設(744人)で、3人以上在院の施設は45施設(717人)。さらに15人以上いる施設が11ヶ所(489人)で、公的な特定施設に集中している。
大学病院の種別によって見ると、一部の大学を除き殆ど受け入れていないことがことが分かる。大学病院が研究医療機関であるとはよく言われるが、中国地方の国立大学病院1ヶ所で10人を受け入れており、それを差し引くと国立大学病院の消極性がさらに際立ってくる。
回答(ベッド数) 3人以上在院 病床比率
国立大学 13施設(10,357床) 3施設(18人) 0.17%
公立公設大学 13 (9,559床) 4 (15人) 0.15%
私立大学 7 (16,181床) 7 (35人) 0.21%
国立大学病院は、国の予算が厳しく制限され、人員・設備とも恵まれない。先進医療を担うという制約の中で脊損医療に消極的になっているものと思われる。また国立病院・療養所も1986年の239施設から機能分化を行う中で153施設にする再編・縮小計画が進行中であり、脊損治療を担うのは数ヶ所に限定されている。
自治体病院も国の財政赤字の後を追って財政危機に直面しており、一般会計からの赤字補填も困難な自治体が増加し、自治体病院自体の赤字削減に追われている現状があり、公的医療機関でありながら患者の治療に必要な期間の入院を保証することが危うくなってきている。
公立病院の中で、県立リハビリ病院1ヶ所で80人を受け入れているが、同県内には3校の私立大学病院に3次救命救急センターが併設されており、県立リハビリ病院や同系統の脳血管疾患専門病院が、実質的にこれらの後方支援病院として機能していることが窺われる。
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