会報10号 ページ12


【脊損センターの設立を】

  脊髄損傷医療は時間との闘いである。受傷後いかに速やかに高度医療機関に搬送できるか、急性期にどれだけの治療が施せるか、急性期以降、リハビリによりいかにADLの向上を図れるか。それは、その一つ一つの段階が患者の障害レベルを決定していくだけでなく、その後の、生涯に擁する医療福祉の社会的コストを大きく削減できるか否かをも決定していく。

  このアンケートの自由記述で寄せられた医療従事者の意見では、急性期〜リハビリ期までの一貫した脊髄損傷医療を担う「脊損センター」の設立を求めるものが21件に達した。そのモデルとなるものが労働福祉事業団の「総合せき損センター」であろう。西日本一円から救急患者をヘリコプターで搬送し、あるいは3次救命救急センターからの患者を受け入れ、高度な集約的医療とリハビリテーションを行い成果を上げている。一部の県ではこうした「病院機能の分化」ができつつある地域もあるが、わが国のほとんどの地域ではそうしたシステム築かれていない。

  労災病院の再編が俎上に上がってきた現在、まずは、「総合せき損センター」及び全国6ヶ所の「勤労者・脊椎腰椎センター」を基盤に、文字通り脊損センターとなって、脊髄損傷医療における地域中核病院として機能させることを労働福祉事業団に対し強く望みたい。


図1 回答施設の内訳



図2 患者は特定施設に集中している



図3 患者の内訳



図4 病院種別の患者総数




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