「バリアフリーの旅を造る」

★書名 「バリアフリーの旅を造る」
     (高萩徳宗著、実業之日本社、2000年、1500円 )

★書評 (勝矢光信 )

  高萩徳宗氏は、旅行会社の社長である。障害者を旅行に連れて行きたいという
情熱が、本の中からほとばしっていた。どうしたら、バリアのない旅行ができるかを、
さまざまな障害について、具体的に語っている。将来を見つめた視点から、さまざま
な提案を行なっている。

  彼自身、最初に、聴覚障害者の添乗員をした時に、ノックしても返事が無いという、
ごくあたりまえの失敗から、障害者旅行の勉強が始まったと言う。多くの人が、多か
れ少なかれ旅行には障害を感じている。高齢化社会においては、ニーズに対応でき
る環境づくりは、極めて大切である。

  旅行を提供する側が、これでは商売にならないではないかと、業界に向けて提言
をする。食堂で「できません」と言えないように、旅行業界も「わかりません」「できま
せん」では、通用しないし、企業努力が足りないと。特に旅館での、盲導犬や車イスに
対する対応には、厳しい警告をしている。

  また、障害者に対しても、社会人としての最低限のマナーと常識を求めている。
どこまでを相手側に求められるかは、障害者である以前に、社会に生きる人間として
身につけるべき、常識であると。私もそう思う。納得できる点が多く、勉強になった。
辛口の提言であるからこそ、この本から学ぶところは大きいと感じた。





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