| ★ 一句一姿 |
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| ★(書評、中島虎彦) 佐賀県伊万里市波多津町の脊椎(腰椎)カリエスで川柳作家の酒谷愛郷(さかたにあいきょう)さんが、共著「一句一姿」(書肆草茫々、1800円)を出されました。酒谷さんについて詳しい年譜などはこの欄の「遠野」「暁」をご覧下さい。 書肆草茫々(0952-31-1608)というのは、佐賀新聞社を退社した八田千恵子さんが数年前に独力で立ち上げられた出版社。以後こうしたアンソロジーを精力的に企画出版しておられます。 副題に「佐賀川柳五人自選句集」とあり、撫尾清明、小松多聞、菖蒲正明、仁部四郎氏とのアンソロジーとなっています。県内の川柳界のベテランたちを集めたのでしょうが、選ばれた者は嬉しくとも外れた者は内心憮然とするでしょうから、なかなか難しい企画といえましょう。 酒谷愛郷さんの作品は他の四人とははっきり傾向が違っていて、まるで川柳本の中で現代詩を読んでいるようです。川柳界以外の人たちからの評価が高いのは相変わらずのようですし、独特の飛翔感が楽しめます。 私の大切な友人の一人でもあります。皆さんも一度手に取ってみてください。 魚ふっと二月生まれをもらすなり 酒谷愛郷 私に付き合いがあるのはあと撫尾さんだけです。小松多聞さんはわが「ペン人」同人小松義弘の兄上らしいですが。撫尾さんの人格は大きいけれど句はさほどでもなし。 それより小松多聞(困ったもん、のギャグ)の句とエッセーに瞠目しました。多聞さんも先生でいらしたことは知りませんでした。わが旧作 「極悪人も出ないだろうが救世主も出ないであろう分校の卒業式」 というのを思い浮かべました。撫尾さんも含め先生で文学をやる人が多いですね。詩人など(大学教授が)多すぎるかもしれません。その点、掛け値なしの貧乏在野の作家酒谷愛郷の存在は貴重です。蛇足ながら私も在野(笑)。経歴からみてどこで勉強したのか不思議でたまりません。彼についても私は以前下記の短歌をささげています。 「カリエスを負う愛郷の背中には翼が折りたたまれているのか」 背中の変形のみならず、彼の作品群の飛翔感を詠み込んだつもりです。また彼の作品評は下記のサイトに詳しく述べていますので、ご一読くだされば幸いです。 http://www.ktknet.ne.jp/henomohe/senryu.htm 私の一番のお気に入りは 「鏡台に声なく遊ぶとりけもの」 彼の境涯の孤独感が見事に表れています。しかしその他、難解句の中には単なる説明不足のものも含まれていると私は睨んでいます(笑)。 |