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★ 書名
頸髄損傷
自立を支えるケア・システム
松井 和子 著、
医学書院、1996年
★ 書評 (中島) |
(筆者紹介) 松井和子氏は前述。
松井氏は「ケイソンの母」とも慕われるケイソン専門の医師である。そのため
あくまでも医学的・科学的な記述が、初めはとりつきにくい。しかし頸髄損傷に
関する用語の正確な定義や解剖図などは、他ではなかなかお目にかかれない
ので、貴重な資料であろう。ともすれば感情移入過多になりがちな関係書が多
い中で、どこまでも科学的な態度に徹してあるところがすがすがしい。
私たちは本当に正確な事実を知りたいのである。これ一冊あればケイソンのこ
とはほとんどわかるガイドブックとなっている。それぞれの症状ごとに豊富な体験
者例を採録してある。たとえば可山優零氏、細川辰正氏、清家一雄氏、向坊弘道
氏、上村数洋氏、曽我部教子氏、中島虎彦など旧知の人たちが登場するので、
身近な感じで読める。ただ、後半部は高位ケイソン者でベンチレータの必要な最
重度の人たちが中心なので、同じケイソンでもC5、6番レベルの者からみると、問
題意識が微妙にずれていて、もう一つ実感が湧かず他人ごとのように思ってしまう
のは申し訳ない。
最後に、今回はあくまで頸髄損傷の物理的な問題が中心に扱われているが、も
し続編を書かれる機会があれば、今度は「ストレス」や「夢」や「性」など精神の内
奥まで踏み込んだ分析を試みてほしいと思う。 |
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