★ たった5センチのハードル

★ 書名
「たった5センチのハードル」

熊篠 慶彦 著、

ワニブックス、

2001年、1500円
★ 書評 (中島)

  最近、一番話題になった本かもしれない。

 熊篠慶彦氏は脳性マヒによる四肢痙性マヒ。1969年、神奈川県生まれ。慶応大学通信制卒。2000年、雑誌「週間宝石」に障害者の性をテーマにした手記を発表したのが話題となり、2001年6月に本として発行したものである。
  脳性マヒであるが、彼のつくっている障害者グループには各種の四肢マヒ者が含まれているので、あえてここで紹介する次第である。
 自らのビジネスホテルでの(養護学校の恩師に仲介されての)デリバリーヘルス嬢との初体験などを赤裸らに告白する。そしてさまざまなホテルのアクセスや使い勝手をレポートしている。
 そのためジャンルも「闘病記」などでなく「交通・アクセス」に入れている。
 「僕はセックスに情熱を注ぐ障害者です(中略)。まったく普通の野郎です。だから性欲だってある。僕らだって、生きているからには、恋愛したいし、セックスだって楽しみたい。健常者のみなさんと同じように」
 その頃からテレビに出る機会が増え、ラジオのディスクジョッキーもやる。今をときめく新進気鋭の社会学者・宮台真司から取材を受けたことから親交を結ぶ。
 数年前からホームページ「熊篠邸の地下室」を開いていて、性の情報を載せて話題になっている。掲示板で相談にも乗っている。

  最近の若者に対しては

  「体育会でも徴兵制でもいいから性根を叩き直せ」
 などと過激な発言もする。しかし本の内容は河原正美氏や牧口一ニ氏らによりすでに言われていることばかりで新味はない。
 宮台真司の推薦文の帯があるのはもったいないくらいだ。



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