「日本せきずい基金ニュース 9号」
| ★書名 「日本せきずい基金ニュース 9号」 (日本せきずい基金事務局編集、障害者団体定期刊行物協会発行、2001年3月、300円) ★書評 (中島) 今号の目玉は、「日本せきずい基金」が2000年秋(9月17日-11月19日、毎週日曜 12-16時)に実施した電話相談「せきずい110番」の結果をとりまとめた報告書の第二 部ということである。横浜市内にスペースを確保し、電話・FAXを設置、瀬出井弘美 (頸髄損傷者)ら当事者とボランティアがペアとなって相談に回答した。即答できないも のは調べたうえ後日回答した例もあるという。相談件数は10日間で95件。この事業の 記者会見のもようは読売・日本経済・東京新聞に紹介された。ポスター10000部作成。 なお「せきずい基金ニュース」は10000部発行。そのときの実際の相談44例を紹介して ある。 相談してきたのは60代以上が四割をしめ、近年の脊髄損傷の発生の高齢化がうか がえる。主な相談内容は医療関係が41%で、つづいて排泄、生きがい、人間関係など。 これによって明らかになってきたこととして、相談窓口の定期化・常設化が必要、Eメール での応答も求められる。専門家の協力体制が必要、同世代・同性によるピアサポートの グループ育成が求められる。脊髄損傷の標準的なマニュアルの作成と頒布、脊髄損傷 に関するデータバンクの設立が求められる。などが上げられている。現場からの貴重な 指摘であろう。とりわけ「同世代・同性によるピア・カウンセリングの必要性」というのは、 今まであまり省みられなかった点かもしれない。こういうところにもフェミニズムの流れが 及んでいるのだろう。 また、電話相談では「痛み」に関する訴えが予想以上に多かったという。私なども 手足の痺れには『誰にもわかってもらえない』という悩みを抱えている。これは基金で も応じ切れない難問なので、今号では「痛み」に関する特集を報告書に代えてある。 「脊髄損傷と痛み」と題した論文や、参考資料としてアメリカのワイズ・ヤング氏の論文 「1999年は疼痛研究の当たり年」を掲載してある。また「痛み」に関する一般からの 情報提供も求めている。詳しくは下記のところまで。 ★「日本せきずい基金」★ http://www.normanet.ne.jp/~JSCF/ 〒183-0033 東京都府中市分梅町5.27.1 石井ハイツ 「日本せきずい基金」 電話: 042.366.5153 FAX:042.366.5133 その他、「日本せきずい基金ニュース」8号で発表した「サヴァイバル・メール」への 反響も載せられている。松井和子氏の「頸髄損傷」(医学書院)の紹介などもある。 |