「日本せきずい基金ニュース 11号」


★書名 「日本せきずい基金ニュース 11号」
     (日本せきずい基金・事務局編集、
      障害者団体定期刊行物協会発行、2001年6月28日、300円)

★書評 (中島)

  今号の目玉はウオルト・ローレンス氏の講演録「人工呼吸器使用者の自立」。
東京の弘済会館で、6月2日、200名ほど参加しておこなわれたという。

  ウオルト氏はカナダ人、17歳のとき川に飛びこみ、頚髄損傷(2、3番)になる。
一年半後に呼吸器離脱訓練を受けて、夜間だけの使用となり、施設から大学へ
通学した。
グループホームで過ごしたあと、結婚して郊外に移り住み、現在は4歳の養女と
暮らしているという。
現在まで10年間、ピアカウンセラーとして働き、福祉手当は受けていない。

  ローレンス氏はカナダの二女性(C2)の自立の事例を紹介している。

  日本側からは「日本せきずい基金」事務局の大濱眞氏(頸髄損傷4番)の、立ち
遅れた対応を受けたケースを報告している。
  日本では在宅呼吸器使用者の一日に介護に要する時間は27時間という。
それだけ家族が過酷な負担を負っている。

  講演後の討論では、大熊由起子氏や、松井和子氏、佐藤きみよ氏などの発言
が記されている。人工呼吸器という名前が重すぎるイメージを与えるので、換気扇 
のような単なる道具の意味で「ベンチレータ」と呼んでいる例など。

  その他、昭和大学リハビリテーション科の笠井史人氏の論文
「高位頸髄損傷者のリハビリテーションについて」が掲載されている。
また講演会と討論会についての松井和子氏、橋本聖子氏、黒岩ちづこ氏、
ひぐち恵子氏らの感想が寄稿されている。

  また朝日新聞の2001年6月7日の「社説」に発表された記事
「せき髄損傷ー日本では二重の不幸」が転載されている。
天下の朝日の社説に取り上げられたことの影響は大きいだろう。

  また、スタンレー・デューカム氏によるシンポジウム
「障害者のセクシュアリティー」(7月21日、東京など)の案内もある。
これからますます重要性を増してくる話題であろう。

  その他、脊髄再生研究文献文として
「再生研究に遺伝子研究の成果を利用」がある。

  最後に「スタンディング・リフト」の必要性を説いてある。
廃用症候群による脚力の弱りを防ぐため、定期的に立位を保つ訓練の必要性を
説いてある。そのために有薗製作所のリフトが紹介してある。
私も病院に入院中はリハビリ室で立っていたが、退院するとどうしても遠のく。
そんなときこのハンディな機械は役に立ちそうだ。





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