「日本せきずい基金」訪米報告書

参加者名簿: 大濱 眞,大濱 千鶴子,広瀬 民男,広瀬 良子
以上 四名

実施日

平成11年6月28日―7月4日 合計7日間(5泊7日)

訪問先
1. Christopher Reeve Paralysis Foundation
500 Morris Av. Springfield NJ 07081
tel 800-225-0292

2. Maunt Sinai Medical Center
5 East 98th St. BOX 1240B

3. Eastern Paralyzed Veterans Association
75-20 Astoria Blv. Jackson Heights NY 11370-1177


訪問目的

米国の障害者団体の現状を視察し、友好を深め、
今後の「日本せきずい基金」の発展のための
協力を依頼すること。


個別の訪問内容

★ Christopher Reeve Paralysis Foundation

  The American Paralysys Association(APA)とChristopher Reeve Foundation(CRF)は1999年4月に合併された。

  CRPFの使命は、「せきずい」損傷やその他中枢神経系の障害によって引き起こされた麻痺を治療するための研究を促進、支援することにあり、両団体とも今日まで、神経細胞の復活、再生のための研究に対して資金供与を行ってきた。そのリサーチ・プログラム「科学諮問会(Science Advisory Council,SAC)」の 指導を受けて策定されている。SACは、著名な神経科学者のグループであり、そのメンバーの多くは、神経再生の研究分野のパイオニアでもある。

  CRPFは、また、その全国レベル、地方支部レベルで広く公的に認知を得るための活動や教育活動を様々な形で展開している各支部は、資金集め活動や教育広報活動、また仲間を支援するなどの社会活動を行っている。

*定期刊行物
Progress in Research (ニューズレター)    年2回
Walking Tomorrow (ニューズレター)    年2回
寄金者向け


年次報告書

  CRPFは、募金をして、その集まった資金を中枢神経系障害による麻痺治療の研究とそのための広報活動に振り向けている。


CRPFのリサーチ・プログラム

目下 次の研究分野に主眼がおかれている。

1. 神経細胞の成長、シナプス形成の促進、ミエリン(髄鞘)生成を高める、信号伝達能力の回復あるいは、損傷した中枢神経の傷ついた回路の回復、そうしたことはどうして自然に生じるのか、といったことについての研究。

2. 慢性的な「せきずい」損傷に於ける機能改善のために使われる薬剤やその他抑制剤などの効能の評価。

3. 二次的な神経細胞の損傷を阻止させるための薬剤やその他抑制剤などの評価。あるいはそうした二次的ダメージを引き起こすメカニズムの研究。

4. 付随する機能低下・喪失(たとえば、膀胱排尿機能、性機能)の改善、あるいは慢性的痛みや痙攣の緩和のための新しい方策の開拓。

5. 「せきずい」損傷の解剖学的特質の定義 ー 人間の「せきずい」に関する動物実験による定義、特に「せきずい」損傷に際して最も傷つきやすい神経組織及びその結果失われる機能を実証すること。
6. 受傷後の回復過程を評価するための新しいより正確な方法。



訪問日      平成11年6月29日


面会参加者: CRPF プレシデント Mr. Mitchell R Stoller

エクゼクティブ バイス プレシデント
ディレクター オブ リサーチ Ms. Susan P. Howley


討議内容および結果

1. APAとCRFの合併について。

2. 現在の活動状況 (累計20億円の基金を
350の研究機関に援助)。

3. 援助を決定する機関の組織および役割。

4. 資金収集のノウハウ。

5. Reeve コレクションと呼ばれるネクタイの販売について。(CRPFで供給するので、日本での販売会社を選択し、売上の歩合を日本せきずい基金に寄付。CRPFで約は500万円から600万円の年間収入を得ている。)。

6. 10・2の日本せきずい基金発足イベントに向けてChristopher Reeve 氏によるVTRメッセージ制作の約束。

7. 今後の各種情報交換およびネットワークの構築の約束。



★ Mount Sainai Medical Center. 

訪問日    平成11年6月30日


面会参加者: デパートメント オブ リハビリテーション、メディシン 
会長 Professor Kristjan T. Regnarsson MD
(リハビリの世界的権威、著書60冊以上)

Professor Wayne a. Gordon Ph.D.
Dr. Adam B. Stein M.D.


討議内容

1. NYにおけるSCI発生からリハビリ、退院にいたる経過。

2. リハビリの現状。

3. 中国女子体操選手のリハビリについて。

4. 泌尿器関連のリハビリの現状。

5. SCIマニアルの説明。

6. 今後の協力体制(具体的には新技術の供給や
日本せきずい基金からの質問に回答する等)。



★ Eastern Paralyezed Veterans Association

  1946年設立、「せきずい」関連の傷害、疾病の結果、麻痺のある退役軍人のニーズによって設立された全国的なサービス組織の東部支部。この組織は一般大衆の寄付で運営。良質なヘルスケア、リハビリテーション、「せきずい」の障害や疾病を持つ人々の完全なる市民権を保障するために活動する組織。さまざまなプログラムや活動を通じて、医療やテクノロジーの発展や法律をサポートする組織。具体的には次の分野の活動:「せきずい」研究基金、教育訓練基金、全国研究プログラム、全国人権擁護プログラム、全国法制プログラム、全国退役軍人特典プログラム、全国スポーツ・リクレーションプログラム。

  パブリケーション、:組織、活動、「せきずい」障害のさまざまな側面に関する出版物とビデオ、シリーズ刊行物、パラプレジックニュース(雑誌)、月刊―「せきずい」障害の人々に関心のあるニュースや作品:スポーツやスポークス(雑誌)、隔月―車椅子競争スポーツやリクレーションを含む活動を行っている。



訪問日      平成11年7月1日


面会参加者: EPVA 会長 Mr. Angelo Bianco
エクゼクティブ ディレクター代理 Mr. Gerald M. Kelly
エクゼクティブ ディレクター Mr. James .J. Peters
                   (ADA法の生みの親)
スペシャル プロジェクト ディレクター Mr. Donald R. Thomas

討議内容と結果

1. EPVAの組織の説明。
Buffalo, Phila組織機構、管理部門、人権擁護、
建築(障害に合わせた建築物の設計)、援助技術、
年金・恩給相談、通信、実行委員会、健康、病院、
法律相談、立法行為、図書および情報サービス、
会員、公的問題、研究と教育、スポーツと娯楽、
車椅子修理の説明。delphia, Newark, Fort Tottenn
の4支部を管理。

2. EPVAの現状。

3. EPVAの活動。

4. EPVAの集金方法。

5. EPVAの持つ各種資料の(VTRも含む)使用許可。

6. 今後の協力関係の約束。情報交換。



総評:

  あわただしい三団体への訪問であったが、受け入れ側の対応態度や、人物の肩書から判断して、各団体とも最高水準の好意を示してくれたと確信している。

  今回の成果は色々あげられるが、今後のネットワーク構築の足がかりが築けたことは、大きく評価されよう。Reeve氏から送られる予定の日本せきずい基金に宛てたVTRメッセージは、報道機関を通じて放送されるならば、我が基金のイメージの宣伝や基金の募集に多いに役立つと信じる。

  今後の課題としては、今回築いた友好関係を如何に持続、発展させて行くを真剣に考えて行かなければならないことだと感じている。

  最後に、この訪問旅行に際して、快く送り出してくださった皆さんや、ご協力頂いた御諸氏に暑く御礼申し上げます。

                     以上 


               平成11年7月12日

        日本せきずい基金会長:大濱 眞

                  副理事:広瀬 民男
 




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