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3.対象と方法
当事者へのアンケート調査を基本とした「事例調査」と「統計調査」の結果を踏まえて分析する方法を取った。基本は「統計調査」とし、質的な補完説明を事例調査に基づいて行うこととした。「事例調査」、「統計調査」は以下のようにして行った。
@ 「事例調査」
「日本せきずい基金」会報読者中の当事者に対してあらかじめ行っていた「疼痛調査への協力要請」に対し協力の申し出のあったすべての脊髄損傷者に質問票を発送した。この質問票は、疼痛の実態を把握することに重点が置かれた(参考資料2)。
この調査は、「痛い人」の痛みや異常知覚の実情を具体的に探るものである。発送時期2003年8月。発送数(住所不明で未着や死亡を除く)250。回収数118。有効回答数114。回収率47.2%。有効回答率45.6%。回収されたすべての回答に目を通し、可能な限り、回答者に電話、メール、Faxで、またごく少数は対面での確認、補充説明を求めた。回答を出来るだけ正確で具体的なものに補完・訂正し文書データ化した。必要な場合は、入力済み最終回答を回答者に郵送ないしメール送信のうえ、確認了解を得た。そのうえで、表計算ソフト「エクセル」に入力、集計・解析を行った。この調査のデータは、郵送自記式に各種形式でのインタビューを組み合わせて得られたものである。
A 「統計調査」
上記「事例調査」の質問票を、内容的に一貫性を持たせつつ、より集計処理しやすいものに編集し直し、疼痛を持つ者と持たない者の違いも視野に入れて新たな質問票を再作成した(参考資料3)。この質問票が、「日本せきずい基金」会報の当事者読者リスト2280名、「全国脊髄損傷者連合会」会員中3803名、合計6083名の脊髄損傷者に対して発送された。この6083名は、無作為に機械的に名簿に基づいて両組織によって発送されたものである。この両組織の発送リストにはかなり重複があると見られるが、この両組織のリストを相互に公開して重複を省く作業は、組織上無理であったので、実質的な発送先の数は重複分を除いたものとなるためこれより少なくなる。この質問票は「事例調査」の参加者にも送られた。この調査は、「事例調査」で明らかにされた痛みや異常知覚の実情およびその発生諸因子を、調査対象数を拡大して統計的に探るものである。
発送時期2004年2月、締め切り3月末。回収数1666、有効回答数1659、回収率27.3%。重複分を考慮した実質回収率は30%程度になると思われる。集計・統計分析には「エクセル統計」を使用した((株)外国文献社)。有効水準はカイ二乗検定で<0.05とした。
この両調査への協力当事者は、在宅であり、慢性期の脊損者である。急性期・亜急性期の患者は除かれるが、脊損者の圧倒的多数を占める在宅のデータを提示できる。ただ、「統計調査」のほうは、患者の自己申告ベース回答(情報)のままなので、厳密な意味で医学的要因分析にはなり難い(患者の回答は必ずしも医学的に正確とはいえない点もあり)。むしろ患者の「語り」から実情を明らかにすることを目指した。