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第 16 章
職業リハビリテーション


 なぜ朝起きるのか、理由はたくさんある。そのひとつは仕事があるからだ。
私たち多くの者にとって、教育を受けることのすべては、職業上のゴールに達することに重点を置いてきた。その職業の選択はまだ少々はっきりしていないが、私たちはなんとかやっている。自分にできることはなんでも喜んでやっている。確かに、個人的、経済的ニーズを満たす職を見つけるために必死に探し回らなくてもよい。

 職を見つけるのにきわめて重要なことが3つある。まず、自分のやりたいことを考え出すことである。次に、自分にできることを見つけ出すことである。最後ながらこれらに劣らず重要なことは、自分の目前にある利用できるものを吟味することである。


 ◆ どこから始めたらよいか

 受傷以来、自分の職業人生について、受傷前とは違った見方をするようになったかもしれない。この中には職能技術、転職の可能性および興味を見直すことも入る。
 どのようにして受傷前にしていた仕事に就いたのか? 自分で選んだのか? それとも、たまたまそうなったのか?

 受傷したからには、重要な職能技術と考えていたものを「失ってしまった」と感じているかもしれない。損傷はどんなレベルか? そのため、受傷前に持っていた自分の身体能力のいくらかを失うことになったか? 


 自分を過小評価してはいけない!

 あなたにはまだ多くの職能技術がある。職能技術の大部分を当たり前のことと思うようになったばかりなのだ。まだあなたは、人と意志疎通し、説得し、教え、交渉し、指示し、または話を聞くこともできる。さらに長年にわたって培ってきた個人的特質はどうか?

 あなたは友好的か、共感的か、好奇心旺盛か、積極的か、想像力に富んでいるか、もしくは実際的か?

 あなたが職探しに取り組むときには、自分が「喜んで利用し」、かつ、「りっぱにやれる」と思うどんな職能技術や個人的特質を持っているか考え始める必要がある。さらに新しい職能技術を習得したいと思うことさえあるだろう。自分が持っている職能技術を認め、これに磨きをかけなければならない。このとき初めて、それらの技術や特質を労働市場の「どこで」、「どのように」利用できるかを探し始めることができる。しかし、大切なことは、自分自身を雇用者に売り込む前に自分の製品、すなわち、「あなた自身」を知っているのだと確信することである(「障害の受容」の章、参照)。


 ◆ 職を得る方法

 あなたは知っているだろうか…?
  1. 職業一般について。求職の90パーセントは求人広告や職業紹介所に掲出されていないこと。

  2. ブルーカラーとホワイトカラーの職について。これらの職の63パーセントは求職者が探した選択肢から得られていること。その中には、友人と親戚のコネが含まれること。

  3. 専門職、技術職および管理職について。これらの職の75パーセントは個人的なコネで得られること。

 このような数字を見ると、可能な選択肢は何か、絶えず耳と目を開いていることが必要であることが明らかとなる。選択肢のいくつかを得るために、自分自身で宣伝して回ることさえ必要であろう。誰かにそっと知らせておくことである。多くの企業は空席の職を満たすために、新しい人材を紹介した社員にボーナスを出している。友人が働いている職場の求職について知っているかどうかを尋ねておくだけで、友人に恩恵を施していることになるであろう。あなたがその職を得ることとなれば、友人はボーナスを獲得するわけだから!


 何か援助が必要か?

 あなたは自分のやりたいことがつねに分かっている幸運な人々のひとりかもしれない。脊髄損傷によってそれが変わることはない。また、あなたは欲しいものを手に入れる方法を正確に知っている人かもしれない。そうであれば、あなたは類いまれな人である。

 ところが、私たち大部分の者は、「適任の」仕事を探すことに職業人生のほとんどを費やしている。私たちは、違う職場で自分の技能と関心を試すためにしばしば職を変える。しかし、仕事を変えなければならないたびごとに、誰も楽しめないような大仕事となる!

 求職の場に乗り出す動機付けは非常にむつかしい。どこから始めたらよいか確信が持てないときは、事態はさらに悪化する。これを試してみよう:取り組みの計画を立てたら、深呼吸し、そしてジャンプせよ!

 「それはそれで結構だが、これもまた現実的でない」とあなたは言う。私もまだどこから始めたらよいのかわからない。あなたはもっと先に進むことを提示できるだろうか? 

 まず手始めに自分でやりたいプロジェクトがあるなら、参考になる多くの本やウェブサイトがある。それらはあなたが適切な仕事を選択できるように段階的なマッチングを提供する。公共図書館も多くの有用な情報源である。最もよく知られたものは『職業アウトルックハンドブック』であり、米国労働省によって随時内容が更新されている。

 私たちの中には個人的援助を受ければ職業プランを立派に作成できる人がいる。そのときこそ、あなたが職業リハビリテーション・カウンセラーを訪問すべきときである。あなたが単に仕事の関心事を相談したいだけであろうと、重要な計画を開始する用意ができたときであろうと、このカウンセラーはいつでもあなたを援助する。


 ◆ 職業リハビリテーション

 職業リハビリテーションはまさに良い社会資源となりうる。この分野の専門家は、あなたの職業プランの作成を援助することができる。職業リハビリテーション・カウンセラーおよび職業セラピストは、あなたに協力してくれる。彼らはあなたの職に対する関心と技術、専門的能力、個人の特性および身体能力を評価するのを援助する。さらに、職業目標を設定し、その目標を達成する方法を決定するのを助けてくれる。あなたに就職の準備ができているときは、求人市場に対する取り組み方を計画するのを援助することができる。

 職業カウンセリングと職能テスト
 職業カウンセリングおよび職能テストは、あなたが下記の課題に取り組むのに役立つよう提供される。
 この中には州の職業リハビリテーション部への委託も含まれる。退役軍人で兵役関係の障害を有するときは、退役軍人職業リハビリテーションプログラム第31章が適用される。これは再訓練をさらに計画し財政的援助を与えるためのプログラムである。

 リハビリテーションプログラムの初期段階の間に、あなたは「職業訓練事前テスト」のため、作業療法(OT)に回されることがある。これは作業サンプルのシミュレーションによって、職能技術を見るものである。あなたは「身体能力の評価」を受けることとなる。これはいろいろな種類の仕事を行なうための身体能力の評価に役立つ。

 職業リハビリテーションには「職業耐久力プログラム」(ときには「職業訓練事前ワークステーションプログラム」と呼ばれるもの)を含めることもできる。このプログラムは、自分の仕事への関心,技能、身体的耐久力および労働性向を評価するのに役立ついろいろな種類の「実際の」仕事について働くチャンスである。プログラムはあなた自身の職業上のニーズによって、週数時間働くこと(無給)から始めるように組まれている。働く時間は、あなたのリハビリテーションスケジュールおよび身体の許容度の範囲内で徐々に増加させることができる。

 州および連邦が資金を供給するいろいろな多くの「オンザジョブ・トレーニング」(OJT:職場内訓練)プログラムがある。兵役関係の障害を負った退役軍人であるときは、退役軍人職業リハビリテーションプログラムを通して、OJTプログラムに申し込むことができる。これらのOJTプログラムは雇用の最初の数週間、給料の一部を支払ってくれることが多い。これは雇い主にとって、あなたを雇って職場で訓練するりっぱな誘因となる。OJTプログラムは、自分の職能技術を向上させ仕事の経験を積むよい方法となることができる。

 ADA法は、あなたを雇用差別から守る法律である。職探しを始める際には、この法律に規定されたあなたの権利について知っておくことが必要である。

 「職場環境の改善」および「機器の改良」も雇用プログラムにある。これらのプログラムは特定の仕事で雇用可能となることを援助するものである。このプログラムの目的はきわめて単純である。それは、得意とする好きな仕事を自分で見つけることである。

 職業への自信は、自分のやりたいことと自分がやれることについて、さらに学んでいくにつれて増大していく。そうなれば、実際に職探しを始めるときに、自己の最善の努力の結果を示すことができる。あなたは、あなたこそ会社にとって非常に価値のある人材になれると思う人々から雇用されることとなる。  




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