全米希少疾患患者組織(NORD)の活動について

アビー・マイヤーズ(全米希少疾患患者組織・会長)

1.NORDの基本的スタンス

 患者中心の医療を推進する


2.NORDの歴史


稀少疾患患者グループの声からは以下の問題点が明らかである。

経済的問題――医療的サービスの需要と供給が中々マッチしない。
人権の問題――希少疾患患者は、マイノリティーである。
政治的問題――自分自身が希少疾患にかかることを懸念している者はいない。家族が希少疾患にかかって初めて問題を認識する。従って中々政策問題になりにくい。


○啓発活動――希少疾患の問題を一般大衆と政治家に対して教育
○「オーファンドラッグ法」の議会承認を目指す。
注)オーファンドラッグとは、希少患者向け薬剤を開発できるよう優遇税制や独占販売権などのインセンティブを行うもの。

以下のような薬の開発に対して経済的インセンティブを与える立法である。

@薬を必要とする患者が少ない。
A新薬の研究開発には多額の資金が必要である。
B利益を上げる可能性がほとんどないか、あるいはまったくない。

 即ち、経済的問題に対する経済的解決である。例えば、7年間の独占販売権、臨床研究に関する優遇税制、患者負担ゼロ、小規模な研究に対してのFDA(食品医薬品局)による承認の迅速化、等々。



3.NORDに対するガバナンス



4.NORDのミッション

(1)教育活動

目的:医療機関の誤診を防ぎ、どこで治療を受けるかを患者に示すこと。

○ ウェブサイト 希少疾患データベース 
オーファンドラッグ・データベース;承認薬240、指定薬900
希少疾患関連組織データベース2000件
○ 出版物 NORDリソ−スガイド 
NORD希少疾患ガイド(4人の医師が執筆、LWW.com )
小児科・内科医向け個別小冊子
○ 医学的質問に
  対する回答
遺伝子や遺伝性疾患に関する常勤の相談カウンセラーを
配置して対応。


(2)調査研究活動

若手研究者にたいして希少疾患に対する研究を奨励し、新しい治療方法と治療薬の開発を進める。
学術研究者にたいして臨床研究のための助成金、研究奨励金を給付する。



(3)アドボカシー活動

常設のワシントンDCオフィスによるロビー活動。
全ての希少疾患に共通の問題への取組み。
例)調査研究のための資金調達、オーファンドラッグの開発、保険制度問題
メンバー組織に対する医療技術面での支援。



(4)患者サービス 

治療以外の質問に対する回答(保険、生活・就業上の不都合、人権問題など)。
医療保険に加入していない低所得者の患者に対する治療薬の無料提供。
患者が遠方の治療機関、検査機関に行くための旅費の支援。



5.NORDのメンバーシップ

2種類のメンバーシップ:○個人会員、○組織会員(全米レベルの組織、小規模組織)。


6.NORDの資金源(年間予算400万ドル・4億円以上)

会費、献金、ロイヤリティ(印税・データベース利用料)。
財団および企業からの寄付金。 例)全米の小児科医に冊子を送るための寄付を企業に募る。
契約上の資金(政府・業界)、イベント(資金集めパーティなど)、遺贈。


7.すべての患者支援組織に関係する問題

 − 資金調達上のヒント −


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「たとえ小さなグループであっても、
深い思慮と強い決意をもった市民が集まれば、
世の中を変えることが出来ると、信じて疑わないこと。
事実、過去において、
それが世の中を変えてきた唯一の主体であった」

――人類学者 マーガレット・ミード

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