国立身体障害者リハビリテーションセンターは昭和54年に設立され、本年度は創立25周年となります。その記念事業として「赤ちゃんとの出会いを語る−脊髄障害女性の出産と子育て」を刊行致します。
当センター病院の牛山武久副院長は、泌尿器科において長年にわたり脊髄損傷者における神経因性膀胱を中心とする合併症の治療にあたって来られましたが、脊髄損傷者にもお子さんを持っていただくための外来を約10年前に立ち上げられ、「ハローベビーコーナー」と命名されております。それは、当初から理想像として描いておられた「子宝に恵まれて、始めて脊髄損傷者のリハビリテーションが完全なものとなる」との英国 National Spinal Injuries Centreの考えを実現されたものです。
本誌は、脊髄障害を持ちながら出産と育児を経験された方々のこれまでの実体験をまとめたものであり、出産する事を決意した時のご様子、妊娠中の生活上の工夫、さらには育児におけるご苦労や喜びなどが綴られております。その内容はお一人、お一人違っている点が多く、マニュアルはなくそれぞれの工夫が必要であったと結論されております。
また、牛山先生は「出産後の育児においても苦労はあるが、障害のあるなしにかかわらず、子育ての苦労は人生の生き甲斐である」と結ばれております。より多くの方々にその生き甲斐を感じていただけることを期待しております。
特に女性にあっては、妊娠・出産・育児における問題点やその解決法がわからず、「ハローベビー」を躊躇されている脊髄障害の方が多くおられるものと思いますが、本書がそのような方々の参考になることを願っております。
本企画に賛同され、貴重なご経験をお話しいただいた方々にお礼を申し上げます。
また、皆さんにおかれましては、お子さんとのお幸せな家庭をお作りいただき、その先駆者としてのさらなるご経験を、またいつの日にか教えていただきたいものです。
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