出産年齢にある脊髄損傷女性
国立身体障害者リハビリテーションセンター病院副院長
牛山 武久
 出産年齢にある脊髄損傷女性はいったいどのくらいいるのであろうか。脊髄損傷発生率は人口100万人あたり本邦で40.2人(全国で5,100人)、アメリカ53.4人(全国で11,000人)である。このうち女性の比率は日本で19.6%、アメリカで18.0%である。両国とも自動車事故が事故原因の1位であるが、大平原の多いアメリカでは脊損者の50%以上が16〜30歳であるのに対し、島国の日本では16歳〜30歳は30%以下で、日本はアメリカに比べ若年者がやや少なく、高齢者の方が多いのが特徴である。この傾向が出産年齢にある女性数に関係する。本邦での出産年齢にある女性は、仮に出産年齢を20〜40歳とすると新宮の報告1)から3年間で発生数600人(年200人)と推定され、全国脊髄損傷者数10万人(平成13年)にあてはめると、本邦の出産年齢にある脊髄女性数は2,000人ということになる。  Cross(1962)はアメリカで出産年齢にある女性3,000人が毎年、脊髄損傷になると述べている2)が、これはアメリカの脊髄女性の年間発生数より多く根拠が曖昧である。そのほか我々が調べた範囲3)では、これに関する資料はない。
牛山 武久 寺岡 恵美子 古田 佳奈代 道木 恭子
牛山 武久
(国立身体障害者リハビリテーションセンター病院副院長)
寺岡 恵美子
(国立身体障害者リハビリテーションセンター病院看護師長)
古田 佳奈代
(国立身体障害者リハビリテーションセンター病院看護師)
道木 恭子
(国立身体障害者リハビリテーションセンター病院看護師)

● 浅野 智子
1975年生まれ
2001年出産
障害の状態:第7頚髄損傷
障害を受けた年齢および原因:14歳の頃転落事故
赤ちゃんを望む脊髄障害の方へ:
 “子供を産みたい”という気持ちがあれば、障害の事はあまり気にしないでいいと思います。
まずは先生に相談する事をおすすめします。

浅野 智子

● 松田 恵美子
1964年生まれ
2004年出産
障害の状態:第10胸髄損傷
障害を受けた年齢および原因:16歳の時、交通事故
赤ちゃんを望む脊髄障害の方へ:
  あまり、いろいろ不安に思ってほしくないです。やればできるって考えてほしいです。絶対子供を産んでよかったと思えますよ。子供のためなら強くなります。生きがいです。天使ですよ。とっても幸せを感じます。障害に負けず、宝物を作って命の大切さを感じ自分の幸せを感じ、かわいい笑顔を見てほしいです。
あきらめないで!

松田 恵美子
● S (本人の希望により匿名)
1958年生まれ
1996年出産
障害の状態:二分脊椎症
赤ちゃんを望む脊髄障害の方へ:
 “赤ちゃんがほしい”という気持ちがはっきりしていればお母さんは何でもがんばれますから大丈夫です。

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