| 2000年(平成12年)3月14日 毎日新聞に 掲載された「ES細胞研究」の記事 |

毎日新聞 2000年(平成12年) 3月14日(火)
ES細胞研究を承認 国の審査など条件に
科学技術会議 生命倫理委
体のどんな細胞にでも変化できる能力を持つため”万能細胞”とも言われる「胚性幹細胞(ES細胞)」の研究について、科学技術会議(首相の諮問機関)の生命倫理委員会(委員長、井村裕夫)・前京都大学長)は13日、実施を条件付きで承認した。ES細胞の研究には胎児になる可能性のある胚を利用することなどから、倫理面での問題が指摘されていた。政府は今夏をめどに研究を規制するガイドラインを作成する方針で、国内でもES細胞の研究が本格化することになる。
この日の生命倫理委員会は始めて公開で行われ、下部組織であるヒト胚研究小委員会がまとめた報告書について議論した。報告書は、ES細胞の研究に研究機関と国の審査、承認が必要だとしている。
これに対し、島薗進委員(東京大教授)は「生命という重要なテーマにもかかわらず、結論が先走っている。国民の理解がついてきていない」と主張した。しかし、高久史麿委員(自治医科大学長)らは「現状の研究レベルを考えると、ES細胞が臨床に応用されるのはかなり近い。
モラトリアムを設けるのは反対で、患者のために厳しい条件下で実施を認めるべきだ」と延べた。その結果、小委員会の報告書は原案通り承認された。
【田中 泰義】
関連資料:『ES細胞』 (大朏博善、文春新書、2000年5月刊) <概要>