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骨髄間質細胞移植・関係資料


「骨髄間質細胞による脊髄再生のための臨床研究」
に関する懇談会報告(概要)

 2003年12月10日、関西医科大学の医学倫理委員会において、脊髄損傷者に対する骨髄間質細胞を移植するわが国で始めてのヒトに対する神経再生医療が承認された、と報じられている。

 ここに、最近の報道と骨髄間質細胞に関する主要論文の要旨をまとめ、この移植法を考える素材とした。

2003/12/18  日本せきずい基金・事務局



【資料集・構成】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
* 「細胞移植で脊髄損傷を治療 関西医大、国内初実施へ」(共同通信 配信記事 2003年12月11日)
* 「関西医大、骨髄細胞による脊髄損傷の臨床研究を計画中、時期尚早との声も」(日経バイオテク 2003年12月18日付)
* 「骨髄間質を用いた臓器再生と細胞治療」(第117回日本医学会シンポ/1998)より。梅澤明弘(慶応大学医学部病理学助教授)
* 「骨芽細胞から神経への転換」 (「最新医学」2002年7月号) 梅澤 明弘ら
* 「骨髄間質細胞を用いた神経再生への試み」(「実験医学」2002年6月号)出澤 真理(横浜市立大学。現、京都大学)
* 「骨髄間質細胞における選択的誘導法の確立と神経再生への応用」、「組織再生と機能回復」シンポ、国立身体障害者リハビリテーションセンター主催、2003年12月6日。出澤真理(京都大学大学院医学研究科・生体構造医学講座・機能微細形態学 助教授)
* 「骨髄間質細胞のドーパミン作動性ニューロンヘの分化誘導と移植応用」
第2回日本再生医療学会抄録No.2521(2003/3)
○出澤真理1)、菅野洋3)、鈴木義久2)、井出千束1)、京都大学院医・生体構造医学1)、形成外科2)、横浜市大・医・脳外科3)
* 「脳脊髄液経由でニューロスフェアーを脊髄損傷部へ移植する方法の開発」
第2回日本再生医療学会抄録No.2525(2003/3)
鈴木 義久ら(京都大学医学部形成外科) 井出 千束ら(京都大学医学部機能微細形態学教室)
* 「骨髄間葉系多能性幹細胞純化の試み」
第2回日本再生医療学会抄録
金城謙太郎、岡野栄之ら(慶応大学医学部生理学教室)
* 020201 「細胞を利用して中枢神経の修復」 <日経BP社のBizTECHのHPより>
* 2003年2月18日 「中枢神経を修復、横浜市大が成功」 <日本経済新聞より>
* 「細胞注入、脊髄損傷を改善 京大教授らラットで確認」
(ウエブ版 共同通信 2003/03/11/ 00:17 より抜粋)
* 「骨髄間質を用いた臓器再生と細胞治療」 梅澤明弘,秦順一 2000年
http://web.sc.itc.keio.ac.jp/~au/kansitu.html 
* 「骨髄間質による骨・軟骨形成」  梅澤 明弘(国立生育医療センター研究所生殖医療研究部長)
(「実験医学」21巻8号 特集:幹細胞研究の最前線、2003年5月)
* 「脊髄損傷患者に再生治療を計画 関西医大、来月にも」
(ASAHI・COM関西 2003年12月11日)



◆ 骨髄間質細胞とは (JSCF事務局)

 骨髄:骨髄は、胸や腰の骨の内部にあるゼリー状の組織で、ここで白血球、赤血球、血小板などの血液を造っている。骨髄には、血液の元となる、骨髄幹細胞(造血幹細胞)が含まれている。骨髄移植での骨髄液採取は、全身麻酔下に腰の腸骨に数十回針を刺して移植必要量を採取する。

 間質:実質の隙間を埋める結合組織で、中に血管や神経を含んでいる。

 間葉細胞:骨格・筋肉・循環器・泌尿生殖器・体腔壁を形成する中胚葉性細胞。胎児の疎性結合組織を形成し、繊維芽細胞、軟骨芽細胞、骨芽細胞など、多様な細胞に分化できる能力を持つ。

 * 以下の内容は、発表年に留意が必要。論文の要約、下線および〔〕内は事務局による。


◆ 細胞移植で脊髄損傷を治療 関西医大、国内初実施へ
   (共同通信 配信記事 2003年12月11日)

 関西医大(大阪府守口市)の医学倫理委員会は10日までに、救急医学科の中谷壽男教授が申請していた、脊髄(せきずい)損傷の患者に本人の骨髄細胞を移植し、神経の再生を促す国内初の臨床研究計画を承認した。京都大形成外科の鈴木義久・助教授との共同研究。設備を整え、来年2月にも実施する。

 この方法は京大がラットの実験で効果を確かめた。骨髄中の間質細胞が損傷部に付着して特殊な物質を放出し、神経再生を促すとみられる。新たな外科手術が不要で患者の負担が軽く、本人の細胞を使うため拒絶反応がないのも利点という。

 交通事故などによる脊髄損傷患者は毎年全国で5千人以上と推計されているが、リハビリを続ける以外に根本的な治療法がないのが現状。中谷教授は「損傷の程度によって効果に差はあるだろうが、わずかな回復でも患者にとっては大きな意味がある」と話している。

 計画では、患者が病院に搬送された直後に、骨折や脱臼を治療する際に骨髄を採取し、含まれる間質細胞を約二週間かけて培養。腰から髄液を通じて脊髄内に注入する。

 こうした臨床研究は例がなく未知な点も多いが、倫理委は関西医大で間質細胞を心筋梗塞(こうそく)患者の心臓などに移植した研究で大きな副作用がなかったことや、京大の実験結果を検討し、安全性に問題はないと判断した。(了)


◆ 脊髄損傷患者に再生治療を計画 関西医大、来月にも
   (ASAHI・COM関西 2003年12月11日)

 事故で首を強打して半身不随になる脊髄(せきずい)損傷の患者に対し、関西医科大(大阪府守口市)が再生治療を計画している。倫理委員会がこのほど承認し、早ければ来年1月にも治療を始める。国内では毎年5千人ほどが脊髄損傷を起こしているが、有効な治療法はなく、新治療は関心を集めそうだ。

 治療チームは関西医大の中谷寿男教授(救急医学)、京都大の鈴木義久・助教授(形成外科)、井出千束教授(機能微細形態学)ら。関係者によると、患者の骨髄組織から取り出した骨髄間質細胞を培養し、それを患者の腰から脳脊髄液中に注射する。

 鈴木さんらは脊髄損傷を起こしたネズミで実験をくり返した。まひのためネズミは後ろ脚を引きずる状態だが、培養細胞を注射すると後ろ脚が動き始め、体重を支えることができるようになった。脊髄組織に生じた空洞も半減したという。

 関西医大病院の救命救急センターには、毎月2人ほど脊髄損傷患者が運び込まれる。手足とも動かず、命にかかわる重症患者が多い。中谷さんは「動物では効果があったが、実際の患者はずっと重症で過度の期待は禁物だ。しかし、少しでも患者のQOL(生活の質)が上がれば、治療の意義はある」と話す。

(2003/12/11)  以上


◆ 日経バイオテク 2003年12月18日付
 関西医大、骨髄細胞による脊髄損傷の臨床研究を計画中、
 時期尚早との声も


http://biotech.nikkeibp.co.jp/news/detail.jsp?id=20023268 を参照」


◆ 骨髄間質を用いた臓器再生と細胞治療
   (第117回日本医学会シンポ/1998)より

梅澤明弘(慶応大学医学部病理学助教授)



  ◎ 骨髄間質細胞と他の幹細胞との比較

 ◎ 質疑応答から

 梅澤:骨芽細胞を生体内に注入すると2日で生体内に骨を作る。しかし、脱メチル化剤5-azacydineを処理してトリックを使うと、神経に転換できると考えている。

 Q:細胞の分化の方向は決まっているのか。

 梅澤:10種類以上の細胞を使っていて、その中に間葉系細胞と思っている細胞があるが、その細胞を完全にコントロールしているわけではない。心臓に打った場合、骨や神経ができたことはない。しかし、脾臓に注入し肝臓を作ろうとした際、脾臓の中が骨だらけになったことがある。


◆ 骨芽細胞から神経への転換
   (「最新医学」2002年7月号)

梅澤 明弘(慶応大学医学部病理学教室)ら

 【要旨】 骨髄中に存在する間葉系細胞は、神経系細胞に転換する。間葉系細胞には脂肪細胞、骨芽細胞、軟骨芽細胞が存在する。その中では、脂肪細胞は神経細胞には分化しないが、骨芽細胞は神経細胞へ分化する。この分化には、脱メチル化薬である5−アザシチジンを用いるが、骨形成阻害因薬であるノギンを用いることによっても生じる。

 その神経細胞への分化は、形態、神経特異的分子の発現および神経伝達物質に対するカルシウムの流入によって明らかになった。中胚葉由来である骨芽細胞から外胚葉由来のニューロンへの転換が、試験管内で細胞レベルで可能である。


 ◎ 細胞のメチル化/クロマチン改変に伴う
    確率的な分化誘導


 ◎ 脱メチル化薬(5−アザシチジン)による
    骨髄間質の神経への細胞転換


 ◎ 発生に基づいた
   「骨芽細胞から神経細胞への転換」プロトコール


 ◎ 骨芽細胞がニューロンに転換する意味


◆ 骨髄間質細胞を用いた神経再生への試み
   (「実験医学」2002年6月号)

出澤 真理(横浜市立大学。現、京都大学)

 【要約】 骨髄間質細胞は、骨、軟骨、脂肪、心筋や神経などさまざまな細胞に分化する能力を持つ。また比較的に採取が容易であり、免疫拒絶反応の心配のない自家移植への可能性を秘めているため、再生医療へのポテンシャルは注目されつつある。本稿では神経再生を誘導し、なおかつ髄鞘形成能力を有する細胞の分化誘導と神経再生への応用について概説する。

 ◎ 初めに

 ◎ 骨髄間質細胞の多分化能

 ◎ 中枢神経と末梢神経の再生能力における違い

 ◎ 神経再生におけるシュワン細胞の有用性

◎ 骨髄間質細胞のシュワン細胞への分化誘導と
   神経再生への応用


 ◎ 今後の展望


◆ 骨髄間質細胞における
   選択的誘導法の確立と神経再生への応用


 「組織再生と機能回復」シンポ、国立身体障害者リハビリテーションセンター主催、2003年12月6日、出澤真理(京都大学大学院医学研究科・生体構造医学講座・機能微細形態学 助教授)

略歴:
平成元年 千葉大学医学部卒業 千葉大学医学部第三内科入局
平成 7年 千葉大学大学院医学研究科博士課程修了 解剖学第二講座 助手
平成 9年 千葉大学医学部眼科学講座 助手
平成12年 横浜市立大学医学部解剖学第一講座 講師
平成15年 京都大学大学院医学研究科生体構造医学講座 助教授 現在に至る



 〔要旨〕

 骨髄間質細胞は採取が容易で培養下にて旺盛に増殖し、倫理的な問題が無い。また、免疫拒絶の無い自家移植系の確立が可能である。

 しかし、骨・軟骨・脂肪組織の他に心筋などへの多分化能があるがゆえに、偶発的な脱分化に頼るのではなく、特定の操作による神経細胞誘導法の技術開発は臨床応用において必須であり、安全で効率的な再生医療の実現につながる。本研究においては神経系の発生分化に関与するNotch遺伝子の導入とサイトカイン刺激を加えることで選択的に神経細胞に分化する方法を見出した。

 ヒトおよびラットの骨髄間質細胞において、Notch細胞内ドメインの遺伝子を導入することによって神経幹細胞様に分化転換する。遺伝子導入された細胞は神経幹細胞に特異的なマーカー(GLAST,3-PGDH,nestin)を発現しpromoter解析においてもそれらの因子の活性が有意に上昇していた。これらの神経幹細胞様に分化転換した細胞にある特定のサイトカイン刺激を与えると96〜98%という非常に効率の高い選択的な神経誘導が引き起こされる。誘導された神経細胞は神経マーカーを発現しておりBrd-U〔標識遺伝子の1つ〕の実験から分裂を終えたpost-mitotic neuron〔分裂後細胞〕であることが確認された。

 またパッチクランプ実験において神経細胞であることが示唆された。RT-PCR,Iuciferaseアッセイ〔法〕、ウェスタンブロット〔共に測定法〕、免疫組織化学の解析を用いて調べた結果、この最終産物にはグリア細胞が一切含まれておらず、神経細胞だけで最終産物が構成されていることが明らかとなった。これらの神経細胞にさらにGDNF〔グリア由来神経栄養因子〕を投与することによってTH‐陽性細胞が40%近くに増加し、パーキンソンモデルラットの線状体〔大脳にあり歩行をコントロール〕に移植したところ、apomorphin〔アポモルヒネ〕誘導の回転運動、pawreaching test〔手足の能力テスト?〕、adjusting step testにおいて顕著な改善を示した。また、脳内でドーパミンを産生し顕著な症状改善を認めた。

 神経細胞は現在のところ、神経幹細胞あるいはES細胞から誘導可能であるが、その多くは神経とグリアの混在系であったり、採取の困難性、倫理問題、免疫拒絶の難題がある。骨髄間質細胞は倫理問題が無く採取が容易なので、本研究のグリアの要素を含まない神経細胞の選択的な誘導と移植によるパーキンソンモデルでの症状改善は神経再生医療への示唆を与えると思われる。
 
 〔注〕ドメイン:領域。Notch(ノッチ):英語で"切れ目"の意。細胞生物の発生にとても重要な分化のon-offを制御する因子。サイトカイン:細胞間相互作用を仲介し、しばしば細胞の成長と分裂を促進する。インターロイキンなど。パッチクランプ実験:細胞膜に直接針を刺すことで、単一細胞のイオンチャネル活動を高精度に測定する。TH‐陽性細胞:サイトカインのサブタイプTh1とTh2の陽性。


◆ 第2回日本再生医療学会抄録No.2525(2003/3)

2521 骨髄間質細胞のドーパミン作動性ニューロンヘの分化誘導と移植応用
出澤真理1)、菅野洋3)、鈴木義久2)、井出千束1)
京都大学院医・生体構造医学1)、形成外科2)、横浜市大・医・脳外科3)

 Notch細胞質ドメインを導入しbFGFなどの神経栄養因子を投与することによってヒトおよびラットの骨髄間質細胞から選択的にpost-mitotic neuron〔分裂後細胞〕が誘導されることを見いだした。この系はグリア細胞を含まない。これらの細胞にGDNFを投与すると約40%がTH陽性となり、ラットおよびヒトの細胞から誘導したものをパーキンソンモデルラットに移植したところ、apomorphine誘導の回転運動が顕著に改善し、移植線状体においてneurofilament〔神経フィラメント〕、TH、dopamine transporter陽性の神経細胞に分化した。骨髄間質細胞の神経疾患への応用が示唆される。


◆ 第2回日本再生医療学会抄録No.2525(2003/3)

「脳脊髄液経由でニューロスフェアーを脊髄損傷部へ移植する方法の開発」

鈴木 義久ら(京都大学医学部形成外科)
井出 千束ら(京都大学医学部機能微細形態学教室)

 脊髄損傷の治療に神経幹細胞の有効性が期待されている。そこで、脳脊髄液経由で神経幹細胞を脊髄損傷部に移植できないかを検討した。GFPラット*により海馬由来のニューロスフェーアー〔細胞塊〕を作成した。4週令のラットのT8-9レベルで脊髄に圧挫損傷を加え、第4脳室〔延髄の直近の上部〕に注入した。術後1ヶ月の観察では、脳脊髄液と共にクモ膜下腔を移動し脊髄表面の軟膜に付着していた。

 また損傷部で多くの移植細胞が脊髄実質へ遊走し突起を出して宿主組織に組み込まれていた。免疫組織染色ではアストロサイト、オリゴデンドロサイトへの分化が観察された。神経根内ではシュワン細胞様の形状を呈していた。これらのことから、周囲の環境により幹細胞の分化の方向が決定されると考えられる。以上、脳脊髄液中に注入した神経幹細胞は損傷された脊髄および神経根の表面に付着し、さらに組織実質内に進入、分化することが明らかになった。

* GFPラット:緑色蛍光タンパク(GFP)でマーカーされた遺伝子改変ラット。


◆ 第2回日本再生医療学会抄録No.2525(2003/3)
   骨髄間葉系多能性幹細胞純化の試み

金城謙太郎、岡野栄之ら(慶応大学医学部生理学教室)

 造血幹細胞はマウスモデルにおいて骨髄中より細胞表面抗原マーカーで純化された。一方、骨髄中に存在する間葉系多能性幹細胞は、付着する性質により分離され、骨、筋肉、脂肪細胞などへ分化する。しかし、それらの細胞を付着細胞として培養する段階を経ずに、プロスペクティブ(予期的)に細胞表面抗原を用いて分離、同定することで、骨髄における細胞群につき詳細な情報が得られると共に、臨床応用という点においても、より短期間に自己の細胞を様々な細胞へ分化させうる可能性がある。
 
 我々は以前より、細胞未分化幹細胞としてHoechst dye(ヘキスト染色)に染まらないサイド・ポピュレーション分画に注目し、またその分画と各種細胞表面抗原を用いることで、間葉性多能性幹細胞をプロスペクティブに分離、同定する試みを行ってきた。本学会では、細胞表面抗原に対するモノクローム抗体を用いたマウス骨髄細胞に存在する間葉系多能性幹細胞を分離・同定する試みにつき発表する。


◆ 020201 細胞を利用して中枢神経の修復
   <日経BP社のBizTECHのHPより>

 横浜市立大学の沢田元教授、出沢真理講師らは、脳や脊髄など一度損傷すると再生しないとされてきた中枢神経を修復する手法を開発した。神経繊維を伸ばす手助けをしているシュワン細胞を、骨髄間質細胞から効率よく作り出すことに成功したもので、自分の骨髄細胞を採取し培養するだけでよいので、比較的安全性が高く費用もかからない。作った細胞を中枢神経の周辺に移植する。ラットの実験では、切断した視神経が伸び脳まで達した。シュワン細胞を人間から採取しようとすると、末梢神経を傷つける恐れがある。

◆ 2003年2月18日 中枢神経を修復、横浜市大が成功
   <日本経済新聞より>

 脳や脊髄など一度損傷すると再生しないとされてきた中枢神経を修復する手法を横浜市立大学の研究チームが開発した。骨髄細胞から神経再生を手助けする細胞を作り中枢神経の周辺に移植する。脊髄損傷の治療にも生かせるとみている。

 同大の沢田元教授、出沢真理講師らは末梢神経にあり、神経線維を伸ばす手助けをしているシュワン細胞に着目。さまざまな細胞に成長する能力を持つ骨髄間質細胞から、この細胞を効率よく作り出すことに成功した。ラットの実験では切断した視神経が伸び脳まで達した。


細胞注入、脊髄損傷を改善 京大教授らラットで確認
(ウエブ版 共同通信 2003/03/11/ 00:17 より抜粋)

 脊髄を損傷させたラットの髄液に、多様な組織になる能力がある幹細胞を含む骨髄間質細胞を注入すると、下半身不随などの症状が改善することを京都大の井出千束教授(機能微細形態学)、鈴木義久助教授(形成外科)らが10日までに確かめた。

 機能回復が難しい脊髄損傷の新しい治療法につながる可能性があり、井出教授らはヒトと同じ霊長類のサルで安全性を確認し、患者への臨床応用を医学部の倫理委員会に申請する予定。成果は米専門誌に発表、11日から神戸市で開かれる日本再生医療学会で報告する。

 井出教授らは、脊髄を傷つけたラットの後頭部から、髄液に骨髄間質細胞を注入。
脊髄損傷の程度で効果は違うものの、1-3週間で関節を曲げたり足で体重を支える姿勢をとるなど回復をみせた。

 損傷部の空洞に新しい組織ができて3-4割が埋まっていたという。

 何も投与しなかったグループでは、症状に大きな改善はなかった。


骨髄間質を用いた臓器再生と細胞治療
http://web.sc.itc.keio.ac.jp/~au/kansitu.html 

梅澤明弘(現、国立生育医療センター研究所生殖医療研究部長,秦順一 )2000年


 骨髄間質による骨・軟骨形成
 (「実験医学」21巻8号、2003年5月)

梅澤 明弘(国立生育医療センター研究所生殖医療研究部長)

◎ はじめに

◎ ヒト骨髄間質細胞の寿命延長

◎ おわりに <骨・軟骨形成の項は割愛した>

「骨髄間質細胞による脊髄再生のための臨床研究」
に関する懇談会報告(概要)