| 「細胞移植で脊髄損傷を治療 関西医大、国内初実施へ」 (共同通信 配信記事 2003年12月11日) |
関西医大(大阪府守口市)の医学倫理委員会は10日までに、救急医学科の中谷壽男教授が申請していた、脊髄(せきずい)損傷の患者に本人の骨髄細胞を移植し、神経の再生を促す国内初の臨床研究計画を承認した。京都大形成外科の鈴木義久・助教授との共同研究。設備を整え、来年2月にも実施する。
この方法は京大がラットの実験で効果を確かめた。骨髄中の間質細胞が損傷部に付着して特殊な物質を放出し、神経再生を促すとみられる。新たな外科手術が不要で患者の負担が軽く、本人の細胞を使うため拒絶反応がないのも利点という。
交通事故などによる脊髄損傷患者は毎年全国で5千人以上と推計されているが、リハビリを続ける以外に根本的な治療法がないのが現状。中谷教授は「損傷の程度によって効果に差はあるだろうが、わずかな回復でも患者にとっては大きな意味がある」と話している。
計画では、患者が病院に搬送された直後に、骨折や脱臼を治療する際に骨髄を採取し、含まれる間質細胞を約二週間かけて培養。腰から髄液を通じて脊髄内に注入する。
こうした臨床研究は例がなく未知な点も多いが、倫理委は関西医大で間質細胞を心筋梗塞(こうそく)患者の心臓などに移植した研究で大きな副作用がなかったことや、京大の実験結果を検討し、安全性に問題はないと判断した。(了)