日経産業新聞  2004年3月24日

骨髄細胞で治療

京大 関西医大で臨床応用へ


 日経産業新聞 2004年3月24日

 せき髄損傷

 骨髄細胞で治療  京大 関西医大で臨床応用へ

 京都大学の井出千束教授と鈴木義久・助教授らは、骨髄から採取した細胞を使いせき髄損傷を治療することに成功した。動物実験で効果を確認、早ければ夏から関西医科大学で臨床に取り組む。せき髄損傷は有効な治療法がないだけに、注目されそうだ。

 せき髄を損傷させ足を動かせなくしたマウスに、培養した骨髄間質細胞を注射した。足が動くようになり腰を浮かせて歩けるようになったという。

 動物実験の結果を踏まえて、臨床応用を目指す。関西医大の中谷寿男教授が研究チームに参加、二輪車事故などでせき髄損傷患者が搬送されることの多い救命救急部門が整っている関西医大病院で実施する。細胞培養のクリーンルームの整備が終わり次第、治療を実施する予定。

 具体的な治療手順としては、患者自身の骨髄組織から骨髄間質細胞を取り出して培養し、患者の腰あたりに注射する。骨髄間質細胞が脳せき髄液中に入り込み、せき髄損傷部分に到達して再生を促す。

 国内では毎年約五千人が事故などのためにせき髄を損傷しており、全体では十万人の患者がいるといわれている。今回の成果は千葉市の幕張メッセで開かれている日本再生医療学会で二十四日に発表する。


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