| 鼻粘膜移植に関する追加説明 2006年9月28日 |
| 「自家嗅粘膜移植による損傷脊髄機能再生法の研究」についてのご説明 |
注記: 下記のとおり自家嗅粘膜移植による臨床試験を計画されている大阪大学脳神経外科によるせきずい基金への2回目の説明会が開催された。これにはフィレンツェで開催された研究会議に参加された岩月幸一先生が報告をされた。
患者に対する説明会は11月下旬に大阪で開催される予定であり、その詳細が決定次第、このホームページにて紹介する。
この臨床試験に関する大阪大学脳神経外科の専門外来は10月5日に開設され、木曜日の午前に完全予約で診療が開始される予定である。
阪大ではこれまでの100例以上の海外での実施例のデータ検討を進めると共に、2007年早々から臨床試験を開始するものと思われる。(文責)日本せきずい基金事務局
追加文書 平成18年9月28日
「2006年9月9〜10日イタリア・フィレンツェで開催された第2回脊髄損傷嗅粘膜移植術とリハビリテーションシンポジウムSpinal Cord Injury, Olfactory Mucosa Autografts and Rehabilitatonにおいて、これまでに施行された嗅粘膜移植例についての途中経過が報告されました。術後数年を経た患者さんのその後や、手術総数の増加に伴い新しくわかった事がありますので付記します。これまでに施行されたのは、ポルトガル101例(内54例はアメリカの患者さん)、コロンビア14例、ギリシャで7例、サウジアラビア5例の計127例です。
於:日本せきずい基金 目黒区心身障害者センター
@ ほとんどの患者さんで、多少とも運動機能の改善が認められています。ただし歩行器と下肢装具をつけて自立歩行が可能となったのは一人だけであり、その他の患者さんでは自力歩行は難しく、術後2―3年経ってもリハビリを継続していました。 A 感覚機能については、表在知覚範囲が拡がる例や、深部感覚が一部回復しているとの報告がありました。またリハビリ後筋肉痛を感じるようになった例もあるようです。 B 自律神経系の回復も報告され、体温、血圧や脈拍の自律機能の回復、腸管蠕動の改善により腸管ガスが減少した例が報告されました。 C 排尿機能の神経支配の変化として、一例ではありましたが膀胱括約筋と排尿筋の協調不全のため、逆に自己導尿が困難となった方が1名おられることが報告されました。 D 痙性を伴う神経因性疼痛の出現例が1例報告されました。ただし徐々に改善しているとのことです。 E ASIA grade A→AとASIA gradeで変化なし(A→A)と判定されている場合でも、軽度の筋力回復はみられているとのことです。
以上、運動神経だけでなく、感覚神経・自律神経系にも軽度ながら回復が見られる点は好ましいように思えます。ただし自立歩行を期待するのはまだ難しく、術後1年を過ぎても長らくリハビリを継続する事の重要性が痛感されました。