<ヒト万能細胞関係:追加ニュース>  下線は新たな報道内容
07-11-22JSCF
  WIRED VISION(ニコンが提供する科学技術HP) 
 Shinya Yamanaka, Japan's Leading Stem Cell Scientist, Joins the Gladstone Institutes 日本の幹細胞研究のリーダー山中伸弥がグラッドストーン研究所へ:成体細胞から彼の創造的研究による胚性細胞をヒトに応用するために

 SAN FRANCISCO, CA – August 16, 2007–Acclaimed Japanese stem cell scientist Shinya Yamanaka, MD, PhD has joined the Gladstone Institute of Cardiovascular Disease (GICD), where he will continue his research into reprogramming adult cells into embryonic stem (ES) cells. Dr. Yamanaka is the L.K. Whittier Foundation Investigator in Stem Cell Biology at Gladstone. He will also be a professor of anatomy at the University of California, San Francisco.
 サンフランシスコ、2007年、8月16日:賞賛すべき日本人の幹細胞研究者山中伸弥博士はカリフォルニア大学サンフランシスコ校のグラッドストーン心臓血管研究所に加わり、そこで彼は成体細胞をES細胞へとリプログラミングする研究を継続する。山中博士はグラッドストーン心臓血管研究所the L.K. Whittier財団の幹細胞の研究者である。博士はカリフォルニア大学サンフランシスコ校の解剖学教授も併任するだろう。
 Shinya Yamanaka, M.D., Ph.D. Senior Investigator, Gladstone Institute of Cardiovascular Disease
L.K. Whittier Foundation Investigator in Stem Cell Biology  Professor of Anatomy
University of California, San Francisco  Email: syamanaka@gladstone.ucsf.edu
http://www.gladstone.ucsf.edu/gladstone/site/gicd/ 


  以下は、Science解説記事・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 生物学的錬金術が先例のない飛躍を見せた。2つの研究チームが、ヒトの皮膚細胞を、物議をかもしている胚性幹細胞(ES細胞)と同様の医学的有望性を秘めた幹細胞に変化させることに成功したのだ。

 京都大学とウィスコンシン大学のそれぞれの研究チームが、ヒトの皮膚細胞に新しい遺伝子を組み込んで再プログラム化し、心臓、筋肉、脳組織など、さまざまな細胞に分化させることに成功した[写真は京都大学の研究のもの]。Photo credit: Cell Press:<写真は掲載できないためWIRED VISIONのHPで見てください:JSCF>

 京都大学の山中伸弥教授[山中氏に関しては、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の教授になるという8月16日付けのプレスリリースがある/上掲]と、ウィスコンシン大学のJunying Yu氏がそれぞれ率いる研究チームは、4種類の新しい遺伝子を、ウイルスを使って皮膚細胞に組み込んだ。この操作によって再プログラム化された細胞は、人体のほとんどすべての種類の細胞に変化できる性質を持つようになった。これはES細胞と同様の性質で、将来は変性疾患の治療、新しい臓器の培養、手足の代替にまで利用される可能性がある。 

 通常、皮膚をはじめとする成熟細胞は、生物学的に定められたそれぞれの運命に固定されている。これを専門用語では細胞が「分化」したと言う。しかし、新しい研究では、細胞の時計を逆に戻す、つまり「脱分化」させ、未成熟でプログラム化されていない状態を復元する遺伝子が、成熟細胞に組み込まれた。

 カリフォルニア州のクローニング企業、米Advanced Cell Technologies社のチーフ・サイエンティストであるRobert Lanza氏は、「幹細胞の新時代の始まりだ」と述べた。「探し求めていたものだ。鉛を金に変えるようなものだ」

 今回の技術の本質は、成熟した細胞を胚のような状態に戻すところにある。

 通常、皮膚をはじめとする成熟細胞は、生物学的に定められたそれぞれの運命に固定されている。これを専門用語では細胞が「分化」したと言う。しかし、新しい研究では、細胞の時計を逆に戻す、つまり「脱分化」させ、未成熟でプログラム化されていない状態を復元する遺伝子が、成熟細胞に組み込まれた。

 「厳密に何が起こるのかはわかっていないが、遺伝子を組み込むことで、基本的に細胞内部で遺伝子発現が変化し、これによって皮膚細胞の運命が変わる」とYu氏は説明する。「一部の細胞は、やがて幹細胞になる」

 山中教授もYu氏も、今後は細胞の発達を誘導する方法を知る必要があると口をそろえる。これまでのところ、再プログラム化された細胞は、心臓、筋肉、脳組織などに順調に変化している。


  京都新聞 2007年11月21日(水)
 人の皮膚から「万能細胞」京大グループら作成成功
 京都大物質-細胞統合システム拠点の山中伸弥教授らの研究グループが、体細胞を遺伝子操作してさまざまな細胞になる能力を持たせた多能性幹細胞「iPS細胞」を、人の細胞で作ることに成功し、米科学誌「セル」電子版で20日発表した。世界の研究者が先陣を争っていた「ヒトiPS細胞」の作成に、山中教授と米国のグループが成功した。体細胞由来の万能細胞の実現が有望になり、再生医療への応用に向け研究が加速しそうだ。
 ・・・・ヒトiPS細胞ができたことで、次の目標は、ES細胞との比較や導入遺伝子の検討によりES細胞と同等の能力を実証することと、遺伝子導入に用いるレトロウイルス以外のより安全な作成法の開発になる。ES細胞を神経や心筋などに分化させる研究は成果を積み重ねており、iPS細胞の分化の研究も急速に進みそうだ。ESからiPSへ、研究の重心は確実に動くだろう。

 臨床応用が目標の研究もすでに始まっている。山中教授と慶応大の岡野栄之教授らは、脊髄損傷モデルマウスにiPS細胞を注射すると機能の一部が回復することを確認した。安全性が今後の大きな課題となる。

 日本の幹細胞研究のあり方も問われている。山中教授と同時にサイエンスで発表したのは、世界で初めてヒトES細胞を作ったウィスコンシン大のジェームス・トムソン教授ら。「世界初」を独占させないよう、急きょ発表が前倒しされた。競争の激しさが分かる。

 米国は国や州が幹細胞研究に多額の資金を投入、主要な大学には幹細胞研究センターが設置され、多様な分野の研究者が集まっている。ES細胞よりも制約が少ないため、iPS細胞の研究者はさらに増えるという。

 山中教授も今年七月に米国の大学内に研究室を開設し、日本では認可が難しく実質的に不可能なES細胞との比較研究を進めているが、「個人ではどうにもならない。iPS細胞は日本で生まれたのに、このままでは全部持ち去られてしまう」(山中教授)と危機感を抱く。日本の研究者が切り開いたiPS細胞研究を日本で進められるのか。中核組織や研究事業の立ち上げなど、国の機動的な対応が問われている。 


  CNNニュース(2007.11.21)より
 ・・・・山中教授のグループは36歳女性の顔の皮膚を用いて、トムソン博士のグループは新生児の包皮細胞を用いて、それぞれES細胞と同等の万能細胞をつくり出した。


  時事通信(2007-11-22)
 2007/11/21-22:46 「飛躍的な進歩」=日米の万能細胞研究で英メディア
 【ロンドン21日時事】 日米研究チームが大人の皮膚細胞から「万能細胞」を作り出したことについて、英メディアは21日、「再生医療にとって飛躍的な進歩」(BBC放送)などと大きく報じた。
 英紙インディペンデントは「試験管内の奇跡」と題し、ヒトの受精卵の医療研究への使用をめぐる(倫理面での)論争を解決するかもしれないと評価した。一方、タイムズ紙は「価値ある進歩」としながらも、「(新手法は)倫理面での躍進と取り上げられているが、異論のすべてを解決するわけではない。従来の胚(はい)性幹(ES)細胞研究が時代遅れになるわけではない」とも指摘した。


  AFP配信:2007年11月21日 15:45 発信地:シカゴ/米国
 ・・・ ウィスコンシン大学の研究チームと京都大学(Kyoto University)の山中伸弥(Shinya Yamanaka)教授率いる研究チームはそれぞれ同時期に、レトロウイルスを使って4種類の異なる遺伝子をヒトの皮膚細胞に導入し、人工多能性幹細胞の作製に成功した。京都大学チームは5000細胞から1個の人工多能性幹細胞の作製に成功。一方、ウィスコンシン大学チームは1万細胞で1個だが、京都大学が利用したがんを誘発する可能性のある遺伝子は利用していない。
 両チームの技術とも、遺伝子を運ぶために用いたウイルスのコピーを細胞が保持しているため、突然変異の危険性がある。次の重要な課題は、レトロウイルスに頼らずに、皮膚細胞を幹細胞に変える遺伝子を刺激する方法を発見することだ
 山中教授は、幹細胞は病気の原因解明や新薬開発に非常に有用だと指摘する。安全性の問題を克服できれば、ヒトの人工多能性幹細胞の細胞移植治療への利用の道も開けるという。一方、人工多能性幹細胞は最終的にはES細胞より有用だと証明される可能性もあるが、前者が後者に取って代わると結論づけるのは時期尚早だとの見方も示した。
 トマソン教授は、人工幹細胞をめぐるすべての問題が解決されるには数年かかるかもしれないとしながらも、最終的にはES細胞と変わらない役割を果たすだろうと語った。(c)AFP/Mira Oberman


  山中伸弥 略歴 昭和37年(1962)生まれ
昭和62年 神戸大学医学部 卒業
国立大阪病院 臨床研修医
平成 元年 同 修了
大阪市立大学大学院医学研究科 入学
平成 5年 同 修了
Gladstone Institute (USA)
postdoctoral fellow
平成 7年 同 staff research investigator
平成 8年 日本学術振興会 特別研究員
大阪市立大学医学部 助手
外科医
平成11年
奈良先端科学技術大学院大学 遺伝子教育研究センター 助教授
平成15年 同 教授
平成16年 京都大学再生医科学研究所 教授
 * 整形外科医だった。

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