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脊髄再生の臨床試験計画に関する懇談会 報告

日時:2005年7月8日(15時―17時)
会場:東京都障害者福祉会館2階、B1-2会議室
主催:NPO法人日本せきずい基金〔文責:事務局〕
 目次

〔p1〕 1.はじめに
  藍野大学教授 京都大学名誉教授 井出千束(いでちづか)
〔p2〕 2.急性期脊髄損傷への骨髄間質細胞移植
  京都大学形成外科助教授 鈴木義久(すずきよしひさ)
〔p12〕 3.救命救急センターにおける脊損治療の現況
  関西医科大学 救急医学科教授 中谷壽男(なかたにとしお)
〔p17〕 4.脊損センターの現況と今後の改善点
  総合せき損センター整形外科副部長 河野修(かわのおさむ)
〔p21〕 5.脊髄再生治療法開発臨床試験の意義と今後の課題
  京都大学病院探索医療センター教授 福島雅典(ふくしままさのり)
〔p26〕 質疑概要


 大濱(基金理事長):みなさんご存知のように関西医大のほうで倫理審査委員会を正式に通ったということが新聞で報道されています。現在の日本の再生研究に関する状況を申しますと、厚労省の専門委員会でヒト幹細胞の臨床研究ガイドラインの審査が大変遅れています。この10月ぐらいまでにはガイドライン作りが終わるのではないのかと私たちは予測しております。国際的にはICCPという脊髄再生に関する当事者団体においてガイドライン作りが現在進められています。ICCPは私たち日本せきずい基金を始め、カナダ、アメリカ、フランス、オーストラリア、イギリスの9団体で構成されています。このガイドラインが将来的には脊髄再生の臨床研究の国際的に共通なガイドラインとなることを目指しています。そうしたなかで、いち早く関西医大において骨髄間質細胞移植が目前になったということで、本日はぜひ前向きな形で私たちも一緒に議論させていただきたいと思っております。

 司会:それでははじめに井出千束先生からお願いします。


 はじめに
 井出千束:こんにちは。ご紹介にあずかりました藍野大学の井出でございます。わたしたちがせきずい基金の前でお話させていただくのは3回目になります。今回は去る7月1日に関西医科大学で私たちの臨床試験が倫理委員会で承認されたという段階で、せきずい基金さんに報告、ご説明申し上げるこの会を開かせていただきました。3回目の今回は特別な感情をもってまいりました。
 といいますのは、この細胞を使った積極的な脊髄損傷の治療というのはこれが最初でございます。私達がやっています細胞は骨髄間質細胞で、これは患者さんの骨からとるという細胞で自家移植が可能です。それからこの細胞は神経幹細胞とは違い、幹細胞の性質ではなく、われわれが普通に体に持っている細胞、つまり機能細胞のレベルであるというところが違います。さらに私たちの方法は、脊髄の髄液に注入するという方法でして、これは損傷部そのものに移植する方法よりも安全な方法だと思っております。損傷部分そのものに移植しますとやはり二次的な損傷が考えられますので、私たちの方法は非常に新しい、おもしろい方法ではないかと思っております。このような、あまり問題のない細胞を使っての効果的な治療法の開発ということで、関西医大の倫理委員会で承認されたと思っています。
 いままでこのような積極的な治療法のなかった脊髄損傷の治療が、今始まるだろう、積極的な治療が始まるだろうというところに大変大きな意義があると考えております。私たちは、これからは積極的な治療が始まったということに加え、次の段階としてリハビリテーションの問題が大きくなってくるのではないかと思っています。このリハビリテーションの問題は、脊髄損傷治療において非常に大きな問題です。日本で脊損リハビリを本格的にやっているところがそう多くないのではないかと思っています。前から私たちが提唱し、またせきずい基金さんも提唱しております「脊損センター」の設立をぜひ進めて行きたい。日本の主な地域に脊損センターの設立を進め、急性期の治療からリハビリテーションまで扱えるという、そういう施設がぜひ欲しいと思っています。今日は九州にある「総合せき脊損センター」の河野先生がおいでになっておりますので、ぜひその辺も勉強させていただきたいと思っております。またこの件に関しては福島先生からもご発言があるかと思います。 
 このように、私たちが進めてきました研究成果をふまえまして、これからもせきずい基金さんをはじめ患者さんのみなさんとともに、新しい積極的な治療を、そしてリハビリテーションの問題を切り開いていきたいと思います。どうぞこれからもよろしくお願いいたします。

 司会:それでは京都大学形成外科助教授の鈴木義久先生に報告をお願いいたします。よろしくお願いいたします。



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